三菱電機は9月26日、準天頂衛星システムからのセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)信号を用いた自動運転の実証実験を9月19日から高速道路で開始したことを発表した。

CLASは、内閣府が整備する準天頂衛星システムから日本全国に無償で配信される高精度測位値を得るための測位補強情報で、実際の運用開始は2018年4月を予定しており、現在は試験サービスの期間となっている。

従来、日常で使用されている衛星測位は、米国のGPS衛星を代表とするGNSS衛星からの測位信号を利用したものであり、衛星が持つ誤差(衛星軌道・衛星クロック・衛星信号バイアス誤差)と測位する地域による誤差(電離層・対流圏遅延誤差)を含むことから、測位精度は数メートル程度であったが、CLASはこの測位精度を向上させるために、国土地理院が設置している電子基準点網を活用して衛星や地域ごとの誤差を補正する測位補強情報を生成し、準天頂衛星経由でユーザーに配信するもの。これにより、ユーザーは、CLAS信号を受信できる高精度測位端末(高精度ロケータ)を使うことで、自らの位置をセンチメータ級で把握することができるようになるという。

今回の実証実験について同社では、実際の道路環境下で実験を行うことで、CLAS信号と高精度3次元地図を活用するインフラ型走行が実用可能なことを確認し、ミリ波レーダーやカメラなどの周辺センシング技術を活用する自律型走行とあわせ、自動運転の実用化を目指すとしている。

CLAS信号を用いた自動運転の実証事件のイメージ