パナソニックは、 デジタルカメラなどで培った画像認識・画像処理技術を活用し、 顔写真の上にタッチペンを用いて実際にメイクをする感覚でメイクのデザインを行える「メイクアップデザインツール」を開発したことを発表した。

「メイクアップデザインツール」画面

同ツールは、プロのメイクアップアーティスト監修の下、 アナログ技術である「メイクアップ」をデジタル化して、顔の上に簡単にメイクを描くことを実現している。

また、顔認識の技術により、デザインしたメイクをさまざまな顔写真に載せ替えることが可能となっている。さらに、動画シミュレーションモードでは、カメラで撮影した任意の顔の上にもメイクを載せることができる。

これにより、化粧品カウンターでのビューティアドバイザーと顧客との間のコミュニケーションツールとして、タブレット上で自由にデザインや色などのアレンジができるうえ、短時間で顧客とイメージを共有できるうえ、肌に負担をかけないという利点がある。さらに、メイクプロセスが見える化されることでビューティアドバイザーのメイクデザインスキルの高位平準化が可能となる。

また、フォトスタジオや結婚式場、 美容サロンなどにおいては、顧客へのメイクアップ提案時に、メイク対象となるモデルや役者の顔写真を使ってイメージを共有することで、実際のメイク後のイメージの齟齬によるやり直しを防ぐことができる。同ツールでは、任意の顔の上にデザインしたメイクを載せることができるため、同じメイクを複数の人に施す時などにも、人によるイメージの違いを事前に確認でき、 作業時間の効率化を図ることが可能となっている。

一方、美容スクールの教材作成やメイクアップ技術のトレーニングなどにおいては、メイクプロセス・ノウハウの見える化、およびデザインサポート機能により、美容スクールの教材としての活用など、これまでにない幅広い用途への展開も可能となっている。

同ツールは、バンタンが運営するスクール「バンタンデザイン研究所」と共同で実証実験を行っており、 2017年7月に同スクールのヘアメイク学部におけるデジタルメイク特別授業を実施した。

なお、10月3日~6日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2017」のパナソニックブースでは、「メイクアップデザインツール」の展示および体験イベントが行われる。また、10月7日、クリエイティブセンター大阪にて開催される「VANTAN CUTTING EDGE 2017 大阪ラウンド」にも出展予定ということだ。