Twitterが、日本語/中国語/韓国語以外の言語において、一部のユーザーを対象にツイートの文字制限を280文字に引き上げるテストを行う。日本語/中国語/韓国語以外の言語で文字数制限に達する割合が高く、言語の違いで生じる表現の格差の是正に乗り出した。

漢字を使える日本は、英語よりも多くの情報を140文字に詰め込める。そうした違いは一般的には知られていなかったが、2016年春にEdward Snowden氏が「うわー、Twitterのチートモードは日本語です。あなたは小説を書くことができます!」とツイートしたことで、日本語/中国語/韓国語と他の言語との差が広く世界的に知られるようになった。ちなみにSnowden氏は、米連邦政府による極秘情報収集活動を暴露した元CIA(米国中央情報局)局員である。

ツイートで最も多い文字数は日本語が15文字、英語は34文字。ツイート数と文字数をグラフ化したデータを見ると、短いツイートと文字数制限に達するぐらい長いツイートが多く、また日本語よりも英語の方が文字数を費やしているのが分かる。

Twitterによると、日本語のツイートで140文字の文字制限に達しているのはわずか0.4%。対して、英語では全体の9%が140文字に達している。ただし、1ツイートの文字数で最も多いのは日本語が15文字、英語は34文字。やはり英語ツイートの文字数の方が多いが、どちらも140文字を大きく下回っている。見方を変えると、140文字に達するほどの情報を1ツイートに盛り込んでいるのは一部であり、280文字に増やすことで「簡潔なメッセージ」というTwitterの魅力が失われる可能性もある。Twitterとしては、文字数上限の引き上げによって、日本語/中国語/韓国語以外の言語のユーザーが感じている文字数に対する不満が解消され、ツイート発信数が増加する好結果につながると予想しているが、まずはユーザーも対象にしたテストを行ってフィードバックを収集する。

画面に表示されている日本語ツイートの内容を、140文字の英語(左中央の英文)では半分程度しか1ツイートに含められない、280文字なら英語でも全てを伝えられる(右中央の英文)

Twitterは近年、少しずつ文字数制限を緩和しており、2015年夏には140文字までだったダイレクトメッセージの文字数制限を1万文字に拡大、昨年夏には画像、動画、投票、引用ツイートを140文字から外した。そして今年の春、返信ツイートの@ユーザー名を140文字に含めないよう変更した。