東京商工リサーチはこのほど、全国「明治創業企業」調査結果を発表した。同社が保有する企業データベース(約310万社)から「明治」創業の企業を抽出、分析したところ、明治期に創業された企業は全国で2万1,799社となった。

地区別 明治創業企業(出典:東京商工リサーチWebサイト)

明治創業率は1割未満

地区別にみると、関東が6,679社(構成比30.6%)と最も多く、次いで近畿3,703社(同16.9%)、中部3,387社(同15.5%)と続いた。東京圏のほか、大阪、名古屋など大都市圏を抱える地区がトップ3に入り、上位3地区で全体の約6割を占めた。

企業数に占める明治創業率は0.7%と1割に満たなかった。地区別では、北陸(1.3%)が最も高く、東北(1.1%)、四国(1.0%)までが1%を上回った。県別では、明治期以降に製糸業が発達した山形県(1.9%)が1位となった。

明治創業企業の売上高をみると、1位は「日本生命保険」(明治22年創業、大阪府)で6兆4,526億円。以下、「JXTGエネルギー」(明治21年、東京都)が6兆223億円、「住友生命保険」(明治40年、大阪府)が4兆1,532億円と続いた。トップ10には、生命保険会社が3社、石油精製会社が2社入ったほか、総合商社の三井物産、製鉄会社の新日鐵住金などがランクインした。

東京商工リサーチは「近代国家の幕開けに創業し、明治、大正、昭和、平成と4世代にわたり日本の産業界をけん引してきた業界大手が多い」と分析している。