朝日新聞社のメディアラボは、人工知能を用いた自動校正システムを開発、特許出願中であることを22日発表した。

システムは、2013年6月に発足した同社のメディアラボが東北大学 乾健太郎教授、東京工業大学 岡崎直観教授との間でアドバイザリー契約を結び研究するなかで生まれたもので、現在プロトタイプが完成。名称「校正支援装置、校正支援方法及び校正支援プログラム」(特願2017-132713)で特許出願中であるという。

新聞社には日本語による記事がデータとして保存してある。朝日新聞の記事データベース「聞蔵」には、1879年の創刊から135年約1,500万件の記事や広告がデータベースとして構築されていることが記されている。明治から現在にいたるまでの日本語変遷の歴史が膨大なデジタルデータとして保存してあることになる。

同社が発表した自動校正システムは、新聞編集工程で蓄積された校正履歴がポイントになるという。記事化の際に文章を整えるデスク作業で残った校正内容を大量に人工知能に読み込ませることで得られるパターンを機械学習し、これを利用することで自動校正システムとして機能させる。

朝日新聞社メディアラボは2013年6月に発足し、デジタルプロジェクトやサービスを展開しており、6月には現場の写真や関連素材を活用したアプリ「NewsVR」をiOS/Android OSを公開。スマートフォンを通して、報道の現場や話題の場所にいるかのごとく、記事を体験できるもので新しいニュースの形を提案している。今回の校正システムについては、今後同社内での活用のみならず、将来的には社外向けに事業化も検討していく構え。