米セールスフォース・ドットコムは現地時間19日、発表から1周年を迎えた同社AI"Salesforce Einstein"を営業サイクルを構成するステップに組み込み高精度な予測で収益予測を可能とする「Sales Cloud Einstein Forecasting」を発表した。

セールスフォース・ドットコムは1999年の創立以来、企業の継続的な活動に欠かせない営業活動を支援するCRM(Customer Relationship Management)プラットフォームを提供し続けている。"セールス"に関わる長い知見がデジタル化され、業界やジャンルのちがうそれぞれの課題を解決していく事例は同社の導入事例ページでその一端を垣間見ることが可能だ。ブランドショップに旅館や運送、小売りや流通と規模やジャンルを問わずに顧客との課題を解決しながらセールスを支えていく日本企業の様子も非常に多く並んでいる。

同社は昨年9月にSalesforceプラットフォームに人工知能(AI)を組み込んだ「Salesforce Einstein(セールスフォース アインシュタイン)」を発表、7,000名を超える開発者たちと改善を重ねるEinsteinプラットフォームは1日に4億7千5百万件を超える予測を行っており、AIという学習最適化を通じてCRMの研鑽を行っている。

次世代と銘打ち発表された「Sales Cloud Einstein Forecasting」は、"予測性"を高める技術がAIにより加わる。公式ブログには一例として、季節的(seasonality)な要因や顧客の楽観/悲観(consistently optimistic, pessimistic)という言葉が使われているが、"勘"ではなくAIによる個別の営業活動、CRMに蓄積された個別のデータ分析から見える予測性が大きく向上しているようだ。

イメージ画像(同社公式ブログより)

例として、保険会社の地域マネージャーが、自分のチームが当期の売上げ目標が達成できるかどうか、失いかけている案件がないかなどをダッシュボードで一目で把握。予測にもとづいてマネージャーが、営業担当者と早めに期末を迎える前にテコ入れするといったケースを示している。

ほかにも、大規模案件やエグゼクティブ案件など見込み客の洗い出し、優先順位付けを行い継続的に進捗状況を把握できる「Einstein Opportunity Scoring」やメールのなかから重要性を分析し、アクションや対応を示す「Einstein Email Insights」など営業活動を支えるソリューションが発表されている。

なお、Einstein Forecasting、Einstein Opportunity Scoring、Einstein Email Insightsは現在パイロット版として提供されているが、一般提供は2018年上半期を予定している。