日立製作所と同社のグループ企業である米Hitachi Vantara(日立ヴァンタラ)は9月19日(現地時間)、日立のIoTプラットフォームである「Lumada」のアーキテクチャを体系化し、これに基づくソフトウェア群をV2.0として提供すると発表した。

新ソフトウェア群は、ユーザー企業が保有するデータの迅速かつ容易な利用をサポートし、生産性や安全性の向上、プロセスの最適化、オペレーションコストの削減、品質の改善や新しいビジネスモデルの創出などの成果を提供するという。

特徴の1つとして両社は、日立独自のアセットアバター(アセットのデジタルツイン)を挙げる。アセットアバターは、企業や工場のアセットをデジタル上に再現し、継続的に測定するセンシングデータに基づき、アセットの状態や性能に関する知見を迅速に提供するとしている。

このアプローチは、ビジネス/マシン/ヒューマンデータからの知見を得やすくすることで、運用システムの死角を排除し、計測から管理、改善へスピーディーに生かすことができるとしている。また、同ソフトウェア群ではIoTソリューションの構成・導入を容易にするツールと機能を提供する。

日立は、2016年5月にLumadaを市場に投入して以来、自社工場での取り組みに加え、ユーザー企業やパートナーとのPoCや顧客協創プロジェクトを基に、その強化および最適化に取り組んでいる。

IoT基盤の導入を検討しているユーザー企業は、Lumadaの利用により、制御技術(OT)と情報技術(IT)の両面での日立の専門性を利用できるとともに、ユーザー企業固有の要望に合わせたIoTソリューションを創出を可能としている。

今回、Lumadaアーキテクチャーをフレキシブル/ポータブル/コンポーザブルなソフトウェア基盤を構成する「Edge(エッジ)」「Core(コア)」「Analytics(アナリティクス)」「Studio(スタジオ)」「Foundry(ファウンドリー)」の5つの主要なレイヤーにアップデートした。

Edgeでは、高速生成する多様な種類のデータを、アセットから容易に取り込み・変換・分析。Coreでは、アセット登録・識別・アクセス管理の機能を提供し、アセットアバターの生成を簡素化する。Analyticsでは、OTとITのデータを融合し、分析・機械学習・人工知能などを駆使してパターンを抽出する。

Studioでは、警報・通知または自動処理プロセスのようなダッシュボード・アプリケーションの作成を簡素化する、事前定義済みのウィジェットを提供する。Foundryでは、オンプレミスおよびクラウドでの導入を容易にする基盤サービスに加え、セキュリティ/マイクロサービス/サポート機能を提供する。IoT関連開発者は、Lumadaのグランドデザインによるアナリティクス技術や信頼性の高いアセット管理機能を享受できるとしている。