日立製作所(日立)とみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)、みずほ銀行は9月21日、サプライチェーン領域におけるブロックチェーン技術の活用促進に向け、2017年10月より共同実証を開始すると発表した。実証実験を通じて、サプライチェーン・マネジメントシステムにおけるブロックチェーンの実用化に取り組むとともに、将来的には企業のサプライチェーンにおける資金決済の効率化や、企業の資金繰りの効率性の改善に貢献する金融サービス(サプライチェーン・ファイナンス)の実現も検討する。

今回の実証実験では、日立グループのグローバル・サプライチェーンの一部を対象に、ブロックチェーン技術の適用とその効果の検証を共同で実施する。具体的には、ブロックチェーン技術を用いて、グローバルで資材調達が必要な装置や部品などのサプライチェーンを統合的に管理するアプリケーションのプロトタイプ開発に着手。IoT関連ソリューションの開発と容易なカスタマイズを可能とするIoTプラットフォーム「Lumada」上に同アプリケーションを構築し、日立グループの複数のアジア拠点における受注・入金データや部品に関する情報などの統合管理効果を評価・検証していく。

これにより、日立は調達や在庫管理の業務効率を向上し負荷軽減を図るほか、受発注に関する迅速な意思決定が可能となる。また、みずほ側では、受発注情報に応じた迅速な決済や融資の提供が可能になるなど、企業側の受発注システムと銀行サービスをシームレスに連携させることで、サプライチェーン・ファイナンスへの応用が期待される。加えて、受発注情報や決済履歴などのビッグデータ蓄積・利活用による、新たなビジネス機会創出にもつながる可能性があるとしている。