シーメンスは9月12日、同社のデジタル戦略に関する記者説明会を開催した。

「デジタル」を軸とした国内展開を目指す

独Siemens 取締役兼CTO ローランド・ブッシュ氏は、高齢化や少子化で労働人口が減少するなか、テクノロジーによって先進的な生産環境を構築する必要があるとして、変化する時代にフィットするデジタルサービス事業の強化を進めると言及した。

Siemens取締役兼CTO ローランド・ブッシュ氏

シーメンス 代表取締役兼CEO 藤田研一氏

同社の今後の展開に関するキーワードは「デジタル化」。IoTを活用したことによる生産効率の向上、あるいは機材のメンテナンス効率化の成功例を複数挙げ、こうした活用の基盤が、クラウドベースの産業用オープンIoTオペレーションシステム「MindSphere」であるとした。日本では、2017年4月に国内提供の開始がアナウンスされた

ドイツのインダストリー4.0における成功例としても知られる、シーメンス アンベルク工場の事例

マセラティの開発時間短縮の例

同社系列のシーメンスPLMソフトウェアが提供する製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェア「Teamcenter」など、既存ソフトウェアとの連携について問われたシーメンス 代表取締役兼CEO 藤田研一氏は、「MindSphere」の国内展開からまだ間もないことを前置きした上で、「時間はある程度かける必要があるが、シーメンスPLMのラインアップと(『MindSphere』は)システム的に近くなっていくと考えている」と回答した。

デジタル事業は同社のポートフォリオにおいて存在感を増している

なお、「MindSphere」の国内における反響としては、関心を持つ顧客が「およそ3桁」になると公表。今後、自社および外部パートナーによって販売を拡大していく想定で、まずは最もニーズの多い産業界から対応し、その後、他の業界にも広げていくとのことだ。