パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズは9月11日、周囲にある物体までの距離と方向を正確に計測する三次元距離センサである3D LiDARを開発したと発表した。

三次元距離センサ3D LiDAR

従来、ロボットを人が行き交う施設内や屋外で自律移動させるには、ロボットの前方、左右方向だけでなく、路面状況を把握する必要があり、車載用途で使用される3D LiDARでは、レーザの垂直スキャン範囲が不足し、単一センサでは路面状況を正確に把握することができず、結果として他センサと組み合わせる必要があった。そのため、走行制御システムの構成が複雑になることが課題となっていた。

同開発品は、独自構造を用いて垂直方向60度、水平方向270度のレーザスキャン技術を実現したことで、自律移動ロボットに適用した場合に路面上の障害物や路面の凹凸状態の正確な検知が可能となる。加えて、スキャン範囲や解像度を変更できるため、利用シーンに適した計測を実現し、人が行き交う施設内や屋外を走行する自律移動ロボットの普及加速などに貢献するという。

具体的に、スキャン範囲は水平270度、垂直0度~60度(可変)で、垂直解像度は、1.5度/3.0度/7.5度の3種類から選択可能。また、検出距離範囲は0.5m~50mで、フレームレートは5fps~25fpsとなる。そのほか、周囲照度は10万ルクスまで(太陽光下)で、外形寸法は高さ130mm×幅120mm×奥行き140mmである。

なお同社は、自動搬送機、宅配ロボットなどの自律移動ロボットやフォークリフト、農業機械、建設機械、セキュリティシステムといった用途が期待されると説明しており、2018年1月にサンプル品を出荷する予定だとしている。