NTTデータは11日、中国の貴陽市と中国科学院ソフトウェア研究所(Institute of Software,Chinese Academy of Science/ISCAS)の3者共同で、APAC地域におけるIoTビッグデータ活用ソリューションの開発や展開を図るため「貴陽科恩ビッグデータ先進技術研究院」を設立したことを発表した。

貴陽市(きようし)は、中国の貴州省の州都で周辺部含め約600万人の人口を擁し、国家レベルの産業開発区に認定される都市で、ここ数年での高い成長力は同国有数の成長率を誇る。今年5月には国際イベントThe 2017 China International Big Data Expoを開催するなどクラウドやビッグデータへの取り組みを強めている。

NTTデータは11日、貴陽市と中国科学院ソフトウェア研究所の3者共同で先進技術研究院を設立したことを発表した。人口の増加も著しい同市は、2020年には1,000万人に達するとも見込まれており、ディープラーニング/深層学習などのAIを活用した交通状況のリアルタイムでの可視化、信号制御最適化による渋滞抑止など人口増加による交通弊害を見越した「次世代スマート交通」、同様に自然環境悪化を防ぐために、低消費エネルギーセンサを活用した大気環境や水資源のリアルタイム計測や予測などを目指す「環境系IoT」の2テーマを中心に共同研究、技術実証を開始する。

NTTデータは2014年からISCASとの共同研究をはじめており、2016年には貴陽市の新市街区で約20平方キロメートル、19交差点のエリアを使い、「交差点を通過する車両の量」と「渋滞により損失する時間」の双方の評価指標を平均で7%、最大で25%改善することに成功。こららの成果が、先進技術研究院設立へと繋がっている。

「次世代スマート交通」の概要(同社資料より)

貴陽市は、ビッグデータやIoT関連技術の利用環境や実証フィールドの提供。ISCASは、ハイパフォーマンスコンピューティング環境やソフトウェア技術人材、オフィス環境等の提供を行い、NTTデータはITS(高度道路交通システム/Intelligent Transportation Systems)やIoT関連の技術の提供を行う。