CEATEC JAPAN実施協議会は9月11日、日本の成長戦略や未来を世界に向けて発信するSociety 5.0の展示会「CEATEC JAPAN 2017」の開催概要を公開した。

CEATEC JAPAN実施協議会エグゼクティブプロデューサーである鹿野清氏

同協議会エグゼクティブプロデューサーである鹿野清氏は、従来のIT/家電総合展からの大きな変換点となった前回の「CEATEC JAPAN 2016」を振り返り、「出展社数は648社/団体で、その内約40%が新規出展者となり、来場者数も約14万人と、協議会が目指す、IoT/CPS社会の実現に向けた船出の展示会としては、まずまずの評価になった」とし、今年は、その前年のテーマを踏襲し、IoT社会の実現に向けたセンシング、データを伝える通信技術、課題解決のIT、トータルソリューションサービスまで一堂に会する総合展としての開催を進めていくことを強調。日本の成長戦略や未来を伝えるSociety 5.0の展示会として、新技術や新サービスの展示会であった従来の展示会の在り方から、近未来の社会に向けた共創する社会の実現に向けた展示会となるべく、本格的な取り組みが見られるものになるとした。

また、従来のCEATECは、どこよりも早く、新製品や新サービスを見たり、触れたりできる、という点が特徴であったが、今年を含めたこれからのCEATECについては、「展示を『見て』、コンファレンスを『聴いて』、未来の社会を『感じて』『考えて』、共創に向けて『動き出す』こと、これを『新しいCEATEC体験』と呼びたい」とし、共創の成果を出す場所としての役割や、社会変革に向けた熱意を持つ人達を披露する場として、国内外問わず、人や企業の紹介が行われる場にしてきたいと意気込みを披露した。

これからのCEATECが目指す姿。従来の新製品や新サービスを体験する展示会から、より社会全体の流れを見せる、という大枠を意識したものへと変貌してきている

そうした取り組みの一環として特別企画が今年も実施される。中でも前年と同様の趣旨で開催される「IoT TOWN」は、前年以上に展示エリアを拡大し、26の企業/団体で実施。三井住友フィナンシャルグループやバンダイナムコグループなども初めて参加するとのことで、新生CEATECの象徴となるエリアといえるとする。

また、ファナックなどに代表される工作機器メーカーによるSMART FACTORYの取り組みも今回の目玉の1つとなる。こうした取り組みは、主にBtoB分野を中心とした展示会へのシフトのように思えるが、その点に関して鹿野氏は、「CEATECは、BtoBの展示会に変わったという声を聞く機会がこの1年の間に増えたが、それは事実ではない。確かにBtoBの要素が増えたことは事実だが、Society 5.0を実現するためには、豊かで住みやすい社会を実現するためには、一般の人たちの存在が不可欠であり、BtoBtoCの"BtoC"部分が実は重要となる。例えばスマートホームは、その典型例で、CEATEC JAPAN 2017では、それを実現するためのサプライチェーンを一気通貫で見ることができるスマートホームに関する展示コーナーやコンファレンスも用意した。近い将来のCEATECでは、より身近なファッション×テクノロジーのファッションテックや、農業×テクノロジーのアグリテックといった分野も見ることができる展示会になる」と、あくまで産業の上流から、一般のエンドユーザーまでのすべての流れを内包した展示会であることを強調し、「未来を想像できる展示会として、一人ひとりのライフスタイルに密着した存在になれるように今後も取り組んでいく」と、協議会のスタンスを表明した。

CEATEC JAPAN 2017のエリア/特設コーナーの概要。中心に据えられているのがIoT TOWNで、展示のみならず、そのテーマに併せたコンファレンスも開催される

なお、CEATECは2019年で20周年を迎える予定で、今年は、家電見本市からCPS/IoTの展示会へと変貌した前回を踏まえ、新たなビジネストレンドを示す展示会としての元年に位置づけられるとしている。そうした勢いもあってか、すでに事前登録ベースではあるものの、来場予定者数は前年同期比で30%増となる1万5000名ほどとなっているとのことで、10月3日~6日の会期中の来場者の総数についても、前年比10%増となる16万人を目指すとしている。