大井川鐵道は11日、多客期に運行される大井川本線金谷~千頭間の臨時急行電車に「奥大井」の愛称を付けると発表した。国鉄時代、東海道本線静岡駅から直通運転を行った「奥大井」の愛称を復活させ、「臨時急行電車への親しみやすさの向上と『奥大井』の知名度アップ及び入込客増加によるさらなる地域貢献を図りたい」としている。

大井川本線金谷~千頭間で活躍する元南海電鉄の車両21000系(写真左)と、元近鉄の車両16000系(同右)。ともに2015年6月の報道公開にて撮影

「奥大井」は国鉄時代の1969(昭和44)年4月26日から1984(昭和59)年9月30日まで、ゴールデンウィークや紅葉の多客期に静岡~千頭間で運行された直通臨時列車の愛称。国鉄車両を使用し、当時からヘッドマークを装着して運行されることが多かったという。

大井川鐵道は現在、「きかんしゃトーマス号」「ジェームス号」の運転日に金谷~千頭間で臨時急行電車を1往復運行しており、これまで特別な愛称は付けていなかったが、9月15日に運行される列車から「奥大井」の愛称を復活させることになった。使用車両は「現在、普通電車に使っているもと関西私鉄の車両(南海・近鉄)」と大井川鐵道。愛称名を表示したヘッドマークを装着しての運行となる。

国鉄車両で運行された当時の記念乗車券(大井川鐵道提供)

臨時急行「奥大井」の運転時刻は、下り「奥大井1号」が金谷駅9時41分発・千頭駅10時47分着、上り「奥大井2号」が千頭駅14時0分発・金谷駅15時17分着。停車駅は金谷駅・新金谷駅・家山駅・川根温泉笹間渡駅・千頭駅となる。急行料金は不要で、運賃のみで乗車できる。当面の運転日として、9月15日から10月9日までの金・土・日・月曜日(計16日間。「きかんしゃトーマス号」運転日と同じ)が決まっており、今後は紅葉シーズンなど多客期にも運行予定。運転日・運転時間は公式サイト・SNSなどで公開される。