電通国際情報サービス(ISID)は9月8日、農業IoT事業を展開するベジタリアが行う第三者割当増資を引き受け、同社株式を取得したと発表した。出資金額は4億9997万5000円。

ベジタリアは、植物科学とテクノロジー(Vegetation Science & Technology)を駆使した農業向けソリューションを提供するベンチャー企業。圃場の環境情報や作物の生育状況を常時モニタリングできるIoTセンサ「フィールドサーバ」や、水田センサ「パディウォッチ」、地図情報をベースに圃場管理や農作業の記録ができるクラウド型営農管理システム「アグリノート」の農業IoTソリューションを提供している。

水田センサ「パディウォッチ」

また、植物医科学のスペシャリストである植物医師を擁して、その知見を生かした日本で初めての民間サービス「ベジタリア植物病院」を開設し、センサデータを活用しながら、生産者をサポートする活動に取り組んでいる。さらに、内閣府が推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(次世代農林水産業創造技術)」や農林水産省が進める「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」に参画している。

ISIDは、中期経営計画の基本方針の1つに「新たなビジネス領域の開拓」を掲げており、戦略領域である「IoT/ビッグデータ」分野において、ソリューションやサービスの開発を加速。農業分野では、宮崎県綾町と共同でブロックチェーン技術を活用して有機農産品の品質を保証する実証実験を行い、国や自治体などから関心が寄せられているという。

今後、これらの経験を通して得られた技術やノウハウに、ベジタリアが保有する農業IoT分野におけるセンサ技術やソリューションを組み合わせ、農業IoTプラットフォームの構築、生育環境をはじめとしたデータ活用による農機メーカー向けビジネス開発などに取り組み、日本の農業の生産性向上ならびに競争力強化に貢献していく考えだ。