島津製作所は、トリプル四重極型液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)による試料測定とデータ解析を効率化する3つのソフトウェア製品を発売すると発表した。

まず1つ目は、分析メソッド管理・測定キュー作成ソフトウェアである「LabSolutions Connect」。同製品は複雑な測定工程を簡便化し、業務効率を向上するもの。ユーザインタフェース(UI)は利用者の熟練度に関わらず使用でき、同社のLC-MS/MSの性能を引き出す。必要な操作は、測定方法を選ぶだけとなる。同ソフトウェアは、従来のメソッド開発と最適化フローを変える機能を搭載しており、MRM(多重反応モニタリング)最適化およびイオン化に関わるパラメータの最適化を自動化し、その結果をLabSolution Connectのデータベースで管理できる。

2つ目は、データ解析ソフトウェアである「LabSolutions Insight」。同製品は、LC-MS/MSデータのためのデータマイニング能力と解析機能を有しており、想定外の項目に注目したレビューを支援するために、シンプルで直感的なUIが設計されている。また、「LabSolutions Insight」は、新たに「LabSolutions DB/CS」環境で動作可能となった。さらに、Library Screeningオプションを追加することで、ライブラリサーチ機能を使用できるという。同定にはプロダクトイオンスキャンスペクトルもしくは新規開発のMRMスペクトルモードを用いることができる。つまり、同製品で定量および定性両方のサポートが可能になった。

3つ目は、臨床・法医学研究者向けデータベースである「LC-MS/MS薬毒物データベース」。同製品は7000以上の薬毒物スペクトル情報を含み、データベースに含まれるすべての化合物に対して、3つの異なるコリジョンエネルギーで取得したプロダクトイオンスペクトルや標準試料で確認済みの保持時間情報、CAS番号、構造ファイルなどの付帯情報が含まれている。

なお同社は、分析機器を用いる多くの研究施設にとって、簡便で迅速な測定および測定結果に基づいた無駄のない意思決定により最終データ提出までの時間を減らすことが重要であるとしており、これらの製品群がその流れの迅速化および効率化に貢献すると説明している。