新国立劇場で避難体験オペラコンサート開催-産総研が人の流れを計測・分析

新国立劇場は、コンサート中に災害が発生し、9月7日にコンサートが中断するという想定のもと「第2回避難体験オペラコンサート」を開催する。

人の流れの計測の様子

周辺密度と歩行速度の関係

同コンサートは、コンサート上演中に災害が発生した想定で実際に避難を体験するもの。「その時、劇場ではどう行動すれば安全に避難できるのか」といったことを実際に体験してもらい、災害の際に素早く安全に避難できるようにする準備として、2014年に続いて開催される。

また、産業技術総合研究所の協力により、人の流れを計測してどの経路で避難しているかの統計情報を取得し、どのくらい混雑すると、どのように移動速度が変化するかを計測する。さらに、大型施設における人の流れをシミュレーションで再現・予測し、色々な誘導方法を分析して避難時間を短くする条件を検証するという。計測・分析の結果は、災害時の避難について研究している研究機関(大学など)と共有し、新国立劇場にとどまらない、より広い範囲における、安心・安全な社会基盤形成の一助とする。

避難シミュレーション

避難条件と避難完了時間の関係

2014年の避難体験オペラコンサートでは、オペラパレスの避難経路に50台のRGB-Dセンサを設置して避難時の人の流れを計測し、どの経路から何人が避難したかを明らかにした。誰も通らなかった経路がある一方で、多くの人が誤った経路を選んでしまった箇所があり、一度人の流れができてしまうと、 例えそれが誤った経路でも後ろの人は皆ついて行くため、初期の段階で正しい流れを作ることが大切であることがわかったという。

また、同会場にある建物から出るための扉4枚は、訓練時は2枚の扉だけが開けられ、混雑しているにも関わらず残り2枚の扉をほとんど誰も開けようとしなかったという。その後のシミュレーションの結果も合わせると、避難時は全ての扉をいち早く開けることが大切だという知見が得られたという。

上演プログラムは、オペラに親しみの無い観客も楽しめるよう解説と話を交えつつ、前半ではアリア・重唱を、後半ではオペラ「ラ・ボエーム」の名場面をつないだハイライトが上演される。その際、コンサート中に災害が発生し、コンサートが中断後、避難が必要な状況となる想定で避難体験が行われる。避難完了後は、再び客席に戻り、コンサートの続きを楽しむことができるということだ。なお、出演者は、新国立劇場オペラ研修所第14期生の飯塚 茉莉子(S)、今野 沙知恵(S)、林 よう子(S)、岸浪愛学(T)、村松恒矢(B)(S=ソプラノ、T=テノール、B=バリトン)と、ピアニストの髙田絢子が中心となって結成したオペラユニット「PIVOT!」。チケット料金は無料(申込受付は終了)。



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