富士通研究所は、同社が2015年に開発した部屋全体をデジタル化する空間UI技術を拡張し、遠隔他拠点間においてネットワークを通じて円滑な共創活動を可能とする技術を開発した。

2015年に富士通研究所が開発した部屋全体をデジタル化するUI技術は、プロジェクターやカメラなどを複数組み合わせ、壁や机などに投影された空間を仮想的なウィンドウシステムとして各自が持ち込んだモバイル端末にあるデータなどを操作、部屋全体を使った会議やブレストが可能になるものだ。

表示機器のレイアウト情報をサーバに設定、端末の空間位置情報を認識しIDを特定するセンシング技術で連携させることで、"空間"を使った各モバイル端末のジェスチャによるデータ操作や共有・表示も可能となる。

4日、富士通研究所はこの部屋全体をデジタル化するUI技術を拡張し、ネットワークを通じ他拠点間での円滑な共創活動を実現する技術を開発したと発表した。

操作による遅延を防ぐための技術 同社資料より

クラウドにデータを置いて、他拠点から接続するのではなく、各拠点ローカルにデータを持ちネットワークの状況に応じた差分データの同期を行う「分散データ共有技術」や操作競合を避けるために相手の操作コンテンツやをフラッシュ表示、遠隔での相手の位置を影で表示する「アウェアネス伝搬技術」を開発。拠点間での操作競合を避けながら円滑な操作を実現している。

複数大画面を他拠点間で操作できるようになり、遠隔で分かれるものづくりの現場や、オフィスにおけるアイデアの効率的な集約、教育における遠隔アクティブラーニングなど、業務に役立つ新しいICT技術として期待できる。