次世代パワー半導体技術である銀粒子焼結接合の適用範囲が拡大 - 阪大

大阪大学(阪大)産業科学研究所は8月31日、菅沼克昭教授らの研究グループが、次世代パワー半導体接続技術である銀粒子焼結接合において、低温・無加圧化に加え電極を選ばないダイアタッチを実現したと発表した。

同研究グループが開発した銀粒子焼結接合は、低コストでありながら、低温、低圧、大気中の条件でダイアタッチを可能にし、また250℃を超える耐熱で高信頼性を実現することから、次世代パワー半導体ダイアタッチとして普及が始まっている。

その接続メカニズムはナノレベルで解明されており、200℃程度で大気中の酸素と反応しながらAg-O液体噴火することで金属焼結が進むことが示されている。しかし、これは銀のみで生じる現象で、他の金属では金でも銅でも不可能である。このため従来電極に多用されるニッケルや銅への接合は高圧を掛けなければならないという課題があった。

そこで今回、銀の界面形成を活性化する溶剤の開発を進めたことにより、これまでより低温である200℃においても多種類の電極の接合を実現する無加圧焼結接合技術が可能となった。この新ペースト(溶剤)では、銀の2倍程度の抵抗値3×10-6Ω・cmという、これまでナノ銀ペーストでしか得られなかった低抵抗値を得ることができるという。

また、従来のパワー半導体プロセスでは、ペーストを用いずシートをダイアタッチ接合材料として使う場合も多数ある。同研究グループでは、銀シート表面に簡単な研削加工を施すことで表面活性化させる技術も開発した。この加工組織導入によって、200℃から250℃の低温度域で銀シート表面にヒロックを多数形成することが確認され、新たなシート接合技術へ展開できることを確認した。

今回の成果について同研究グループは、次世代パワー半導体のSiCやGaNの高性能ダイアタッチが可能になるだけでなく、課題となる耐熱配線に、低温で無負荷、低ノイズの3次元配線を実現するものと説明している。

加工組織導入銀シートを用いて250℃でリードフレームへ接合したSiダイアタッチの例 (出所:大阪大学産業科学研究所 Webサイト)

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