市場動向調査会社である米Gartnerは8月24日(米国時間)、2020年ごろに複数の自動運転車の発売が開始されるが、自動運転技術が社会と経済に及ぼす本格的な影響は、2025年ごろまで現れ始めないとの見解を公表した。

また、同社は、2017年4月~5月にかけて、自動車に関する消費者調査を米国とドイツにてオンライン調査の形で実施。回答した1519人のうち、55%が完全自動運転車には乗らないが、71%が部分的な自動運転車であれば乗る、との回答を示したことも明らかにした。

自動運転車の普及に立ちはだかるシステムの不具合とセキュリティへの懸念

アンケート調査の回答者たちも、完全自動運転車には、燃費の改善や衝突の回避、衝突した場合の被害の軽減など、多くの利点があることは認めているほか、ドライバーが疲れているときでも安全な代替運転手段を持てることや、移動時間を娯楽や仕事に使えるなどといったメリットも挙げているが、こうした調査結果になったことについて、Gartnerの調査ディレクターであるMike Ramsey氏は、「予期せぬ状況で自動運転者が混乱する恐れや、機器やシステムの障害に関する安全上の懸念、車両やシステムのセキュリティは、完全自動運転車を使用する上での最大の懸念となっている」と述べている。

自動運転は自動車産業に根本的な変革をもたらすのか

また、今回の調査では、オンデマンドカーサービスを利用している消費者は、部分および完全自動運転車に乗ったり購入する可能性が高いことも示されたという。「この事実は、オンデマンドのような新たな交通手段を試してみようとするユーザーほど自動運転という概念を受け入れ易いことを意味する」とRamsey氏は述べている。

過去12か月間にUberやCar2Goなどのサービスを利用した人の割合は、2年前に実施された同様の調査では19%だったが、今回の調査では23%に上昇していた。しかし、個人で所有している車両を手放すことは、代替交通手段を得やすい都市部以外では困難である。そのため、自宅およびその近隣に駐車場を有している自家用車の所有者は、自家用車の所有コストの75%を節約できるといわれても、自らの車を手放すことは考えないと回答した。必要とあらばいつでも出発できることが、自家用車をオンデマンドカーサービスに置き換えない理由の中で最も高いものであったという。

数多くの企業が現在、車両が周囲の状況を把握するために必要なセンサやその他の技術の開発を進めている。2017年半ばの現在、少なくとも46の企業が自動運転車を制御して安全に運転するための人工知能(AI)ベースのソフトウェアを開発しており、Ramsey氏も、「自動運転技術は、自動車産業に根本的な変革をもたらし、車両の製造、販売、使用、保守の方法をすっかり変えてしまう可能性がある」とするほか、「自動車業界は、自動車の黎明期以来、経験したことのないようなスピードで新しい安全で利便な技術に投資しており、自動車の所有と運用に関するユーザーの経験は、10年以内に今までとはまったく別な形に変わるだろう」と、自動車産業のみならず、自動車を活用するユーザーの在り方までもが、自動運転車の登場により、変わる可能性があると説明している。