ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」を運営する東京急行電鉄(以下、東急電鉄)は8月28日、東急線沿線を中心とする新たなシェアリングエコノミー型事業モデルの確立に向け、シンガポール発のベンチャー企業honestbee(以下、オネストビー)との包括業務提携契約を9月1日付で締結することを発表した。

東急ベルは、専門スタッフが顧客の自宅へ出向き、ネットスーパーやハウスクリーニング、家事代行など「家ナカ」を便利で快適にするサービスで、東急線沿線を対象に2012年6月より提供を開始した。

一方、オネストビーが提供する買い物代行コンシェルジュサービス「honestbee」は、顧客がWebやアプリ上から行った注文をスタッフが買物代行し、注文から最短1時間以内に自宅やオフィスまで届けるサービスとなる。

今回の提携では、東急線沿線におけるシェアリングエコノミー型の配送モデル確立に向け「honestbee」のサービスの浸透・拡大施策を展開するほか、東急ベル配送サービスの一部委託を検討。急拡大する宅配便の人手不足が深刻化する昨今、専業ではなく一般顧客に登録者を募り、コンシェルジュスタッフを育成することで、人手不足の解消に繋げたい狙いだ。

東急ベルとオネストビーによる提携イメージ

また、2時間という短時間から働けるシステムは、育児や介護など時間制限のある人にとっても隙間時間を利用した働き方を可能にし、地域社会に新たな雇用機会を創出するとの狙いもある。さらに今後、ECの台頭などによる商店街の衰退に対しても、東急ベルが商店街や路面店などを両社のサービス加盟店として開拓を図ることで、地域のものを地域の人が購入し運ぶといった「地域の循環」を作り出し、地域経済を活性化させたい考えだ。