Appleは、同社の技術者と教育者によって作られたSwiftを使った1年間のアプリケーション開発カリキュラムを全米30以上のコミュニティーカレッジに提供することを25日発表した。

Swift(Apple公式Webページ内)

macOSやiOS、watchOSやtvOSといったモダンなAppleプラットフォームで動作するソフトウェアを開発できるSwift。同社が開発者向けイベントWWDC2014(Worldwide Developers Conference 2014)で発表したプログラミング言語は、オープンソースでSwift.orgで開発されており、2017年秋にはメジャーバージョンアップSwift 4のリリースを控えている。6月には、iPad向けのプログラミング教育アプリケーション「Swift Playgrounds」とセンサーやブロックを組み合わせて作る「LEGO MINDSTORMS」などロボットやドローン等、目に見えて楽しめるデバイスの制御を通じて学べるようになっていることも発表している。

25日、同社はこのSwiftを使った1年間のアプリケーション開発(https://itunes.com/ecc/)カリキュラムを全米30以上のコミュニティーカレッジで提供されることを発表しており、全米最大の高等教育機関のひとつとなるオースティン·コミュニティーカレッジ·ディストリクトでは今秋74,000人の生徒に提供されることになる。カリキュラムはプログラミングの経験のない学生たちでもSwiftを使って自ら設計しアプリを開発できるようになることを目的としている。

動画や図を用いたやさしく丁寧なブック形式の解説(図は英語版 同社資料より)

AppleのCEO(最高経営責任者)であるティム·クック氏は、「Appleのアプリケーションのエコシステムが、世界経済を変え、まったく新しい産業を作り出し、何百万もの雇用を創出してきたのを目の当たりにしてきました。私たちは、同じ機会が誰にでも平等に提供されるべきだと強く信じており、地域との関わりが強いコミュニティーカレッジでこのようなコースを提供することで、全ての人が平等の教育を受けることができる機会を提供できると考えています」と述べている。同社は、2016年は前年比で40%増の約50億ドル(約5,500億円)、App Store開始以来160億ドル(約1.7兆円)を米国内のデベロッパに支払っており、開発市場の創出を加速している。