ディスコは8月24日、2018年3月卒業予定の外国人留学生を対象とした「職業観や就職活動に関する調査」の結果を発表した。調査は6月29日~7月17日、キャリスタ就活2018に登録している外国人留学生を対象に、インターネットで行なわれた。有効回答数は348名(男性143名、女性205名)。

就職したい企業・志望業界について

「就職したい企業の種類」

卒業後にどのような企業に就職したいかを尋ねたところ、「日本にある日系企業」が最も多く52.3%。「日本にある外資系企業」(24.7%)と合わせると、およそ8割の外国人留学生が「卒業後も日本で働きたい」と考えていることが明らかに。

日本での就職を希望する理由としては、「生活環境に慣れているから」(61.9%)、「外国人として日本語力を活かせるから」(54.1%)、「治安がよくて安全だから」(43.7%)が上位に挙がった。

「就職したい企業の規模」

続いて、就職したい企業の規模と志望業界について質問した。その結果、就職したい企業の規模としては、「大手企業」が最も多く36.5%。「業界トップ企業」は21.0%、「中堅中小企業」が19.3%だった。

国内学生の回答と比べると、やや大手志向が強い傾向に。一方で、「中堅中小企業」を希望する学生の割合も、国内学生(11.1%)を大きく上回り、外国人留学生は希望の企業規模を明確にして就職活動をする傾向がうかがえた。

「就職したい企業の志望業界」

志望業界については、文系では、グローバルに活躍できる業務に携われそうな業界として人気の高い「商社(総合)」(34.5%)が1位に。続く2位は「ホテル・旅行」(31.3%)で、前年調査(24.3%)から大きくポイントアップ。訪日外国人対応など企業側のニーズの高まりが影響しているよう。

理系では、1位「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」(30.8%)、2位「自動車・輸送用機器」(26.9%)、3位「医薬品・医療関連・化粧品」(25.6%)と続き、研究・開発職など専門性の高い仕事に就ける業界が人気のよう。「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」は文系5位、理系1位、「情報・インターネットサービス」は文系4 位、理系5 位に入り、国内学生に比べIT 業界の人気が高いこともわかった。

就職活動開始状況

「就職活動を開始したと思う時期」

外国人留学生が就職活動を開始した時期は、「4年生の4月」(27.3%)が最多で、次いで「3年生の3月」(14.1%)が多く、採用広報解禁(3月)以降の合計は54.6%だった。対して、国内学生では「3年生の6月」(20.9%)が最も多く、3月より前の合計が9割を超えている(95.7%)ことから、外国人留学生の動き出しがかなり遅いことがわかった。

就職活動量と内定状況

「7月時点の就職活動状況」

調査時点(7月)での企業へのエントリー社数は、平均で26.1社。同時期の国内学生(39.6社)の約6割の水準となっている。

セミナー参加社数は、企業単独開催セミナー、合同開催セミナー、学内開催セミナーのいずれにおいても国内学生を下回っており、とりわけ企業単独セミナーは5.2社(外国人留学生11.1社、国内学生16.3社)の差となった。

選考試験については、面接受験から最終面接に至る割合が低いのが特徴的で、国内学生は約3社に1社の割合で最終面接に進んでいるのに対し、外国人留学生は4社に1社にとどまり、最終面接までのハードルが高いことがうかがえた。

内定率は、国内学生が8割超(83.2%)であるのに対し、外国人留学生は3割台(38.2%)。調査時点で就活継続中の人の割合は73.9%と、国内学生(33.8%)の2倍以上。外国人留学生の進捗の遅れが目立つ結果となった。