鹿島は8月24日、北海道小樽市で施工中の石狩湾新港発電所1号機新設工事のうち土木本工事において、液化CO2を冷却液として用いた新たな地盤凍結工法を、シールドマシンと既設放水口接続工事に適用し、放水路トンネルが無事貫通したと発表した。

新たな地盤凍結工法の概要

シールド工事では、マシンの発進・到達・地中接合やトンネル切拡げ、またカッタービットの交換などの施工に際し、安全に工事を行うための地盤改良に、地盤凍結工法が多く採用されてきた。従来の工法は、地盤を冷やす冷却液(二次冷媒)に塩化カルシウムを用い、また冷却液自体を冷やすための冷凍機(一次冷媒)ではフロンを用いるものが主流であったが、地球温暖化防止の観点から、代替フロンへ、さらにはノンフロンへの転換が望まれるとともに、温室効果ガス排出量の削減など、環境に配慮した新たな凍結工法が求められていた。

同社は、グループ会社であるケミカルグラウトが開発した液化CO2循環による新たな地盤凍結工法を今回の工事に採用することで、温室効果ガス削減が可能かどうかを調べた。

同工法は、従来の-30℃までしか冷やすことができない塩化カルシウム冷却液ではなく、-45℃まで冷却が可能な液化CO2を使用。温度差による冷却だけでなく、液化CO2が気化する際の地盤から熱を奪うことによる冷却も利用することにより、冷却液そのものの低温化と併せ、高効率な凍土造成の実現および、工期・コスト面で有利になったという。

また、液化CO2を用いることで、同等の凍土であれば1/10程度の流量で造成が可能となることから、冷却液の循環にかかるエネルギー消費量が激減し、温室効果ガス排出量は約50%削減されることを確認。さらに、一次冷媒にもノンフロンであるアンモニアを使用しているため、環境負荷低減効果の高い工法だとしている。

なお、同社は、今後、この新たな地盤凍結工法を他の工種へも幅広く展開し、工事の安全と、品質向上に活かしていくだけでなく、シールド工事では、施工条件に応じて同工法を積極的に採用したいとコメントしている。