デロイト トーマツ コンサルティングは8月24日、「APAC(アジア太平洋) Cost Survey」を発表した。同調査は、アジア太平洋各国の年商1.5億ドル以上の企業299社の経営層に対し、コスト削減の目標などを尋ねたもの。調査期間は2017年1~2月。

低い目標設定、高い未達率

コスト削減の目標を尋ねると、日本企業の94%が「20%以下」に設定し、「20~30%」はわずか3%、「50%以上」はゼロ。一方、APAC全体では「20~30%」は13%、「50%以上」は2%だった。

コスト削減目標とコスト削減結果

コスト削減の結果をみると、日本企業の77%が目標未達成と答え、目標を達成した企業は23%にとどまった。他方、APAC全体では目標を達成した企業は30%に上った。

過去24カ月におけるコスト削減の取り組み領域を調べると、日本企業の50%が部門・機能単位のコスト削減に注力していると回答。それに対して、全社的なコスト削減に注力している企業は33%にとどまった。

コスト削減の阻害要因については、「コスト削減の取り組みが弱い、位置づけが不明確」と「取り組みの導入・実施局面における課題の存在」が同率の43%。「社員のコスト削減取り組みに対しての理解/受入れの欠如」が38%となった。この結果から、コスト削減の実施に当たり、「従業員の意識改革やそもそものコスト削減への理解が難しいと考えている企業が多い」(同調査)ことがわかった。

同調査では、日本企業のコスト削減の課題として、「明確で高い削減目標の設定不足」「全社単位での横断的な削減施策の計画不足」「取り組み全体を推進する人材不足」の3つを挙げ、コスト削減の実現に向けたアプローチ(英文)をWebで公開している。