DHLサプライチェーンは、世界規模で進めていた庫内のオーダー・ピッキング(作業指示に応じた製品・商品の取り出し)作業にAR(拡張現実)技術を活用する「ビジョン・ピッキング」の実証実験が完了したことを発表した。

この実証実験は、米国・テネシー州のライフサイエンス製品を取り扱う倉庫において、出荷時の庫内ピッキング作業を支援する自律型協働ロボットを活用し、パートナー企業3社とともに進めていたもの。ARソフトウェアはUbimaxから「xPick」が提供され、スマートグラスのハードウェアにはグーグルのグラス・エンタープライズ・エディション、およびVuzixの「M100」と「M300」が採用された。

ピッキング作業員が装着するスマートグラスには、製品・商品の保管場所やピッキングした製品・商品のカート配置場所などオーダー・ピッキングの作業指示が表示されるため、作業指示書を手に持つ必要がなく効率良く快適に作業できる。

今回の実験結果では、生産性が平均15%向上し作業精度の改善も見られた。また、使い勝手が良く直感的に利用できるソリューションであるため、導入期間や作業員への研修時間も半減できたという。

同社は今後、このソリューションを世界各地の倉庫へ導入し、オーダー・ピッキングの新たな業界標準の確立を目指すとしている。