米IC Insightsは8月22日(米国時間)、2017年の半導体産業の設備投資の見通しを前回予測の6%から上方修正し、同20%増となる見通しであるほか、Samsung Electronicsの下半期における投資計画次第では同27%増へとさらに上昇する可能性がある見通しであることを発表した。

四半期ベースで史上最高額を記録した第2四半期の設備投資

2016年第1四半期以降の半導体業界における四半期別設備投資額の推移を見ると、2017年第1四半期に投資額の上昇が足踏みしたものの、直近となる2017年第2四半期では、前四半期比19.1%増の235億ドルと、四半期ベースでの過去最高値を記録したという。また、四半期ではなく、上半期で見た場合、前年同期比で48%増となっている点も注目すべきであろう。下半期の設備投資が上半期と同程度の水準となるかは、Samsungの設備投資計画に大きく依存することになるとIC Insightsでは見ている。

図1 2016年第1四半期以降の半導体業界における四半期別の設備投資額の推移(単位:10億ドル) (出所:IC Insights)

2017年第2四半期に、売上高がIntelを抜き去り1位となるなど、注目されるSamsungの半導体事業だが、継続的に莫大な設備投資を行っている。2017年上半期の設備投資額も110億ドルに達しており、この額は、2016年上半期の3倍以上、2016年通年の同社の総投資額と比べても3億ドルほど少ないだけの規模であるという。実際、この規模の設備投資額は、半導体業界全体の設備投資と比較しても25%を占めるほどのもので、2017年第2四半期のみで見た場合は、総設備投資額の28%を占める規模だという。

図2 Samsungの半導体部門における2011年~2017年の上半期の設備投資額(単位10億ドル、青棒、左軸)と前年同期比増減率(%、青線、右軸) (出所:IC Insights)

もし同社が、下半期も同程度の規模の投資を実施するとすれば年間で220億ドルとなるが、通年の設備投資額については明らかにされていない。2017年上半期の設備投資額に次いで大きかった年は2012年上半期で、その額は85億ドルであったが、同年の下半期は37億ドルと大幅に設備投資額を抑制している。2017年の下半期も同じパターンとなるかどうかは不透明ながらも、IC Insightsでは、Samsungの2017年通年の設備投資額をおそらく150億ドルから220億ドルの範囲になるのでは、と予測している。

Samsungに次ぐ投資を進めるTSMCとIntelの動向は?

なお、Samsungに次ぐ設備投資を行っているのがTSMCとIntelだが、この2社に関しては、2017年下半期の設備投資計画に関して逆方向に動くことが予想されるとIC Insightsでは説明している。TSMCは2017年上半期に約68億ドルの設備投資を行っているが、通年の計画を100億ドル程度としており、下半期の投資額は大幅に縮小されることとなる。一方のIntelは、上半期に約47億ドルを投じているものの、年間計画を120億ドル程度としているため、下半期は倍近い73億ドルを投じる必要があるためである。