アナログ・デバイセズ(ADI)は8月24日、The Cornucopia Projectおよびripe.ioと協力して、地域の食品サプライチェーンを検証し、米国ニューハンプシャー州の高校や地元農家に対して21世紀型農業技術の教育を開始することを発表した。

この活動では、農業技術を学ぶ学生にIoTやブロックチェーン技術を活用し、作物の生育状況や「Farm to Fork(農場から食卓まで)」の生産活動を追跡して、品質や収穫量、収益性の向上につなげていくとしている。Cornucopia Projectと共同で行うこの取り組みでは、ADIとripe.ioは資金ならびに技術トレーニングを提供するということだ。

ADIは同プロジェクトに対し、農家が散水量や施肥の量とタイミング、害虫対策、収穫時期などを適切に見極めるための環境要因を計測できる農作物監視ソリューションの試作版を提供する。農家は、ほぼリアルタイムでモニタリングされた情報をもとに適切な判断を下し、24時間行われる測定と近赤外(NIR)小型分光器を組み合わせることで、食品の非破壊品質分析を行うという。

同社のオートメーション、エネルギー・センサー事業担当ヴァイスプレジデント Kevin Carlin氏は、次のように述べている。「このプロジェクトは、農家が作物の各生育過程に応じ、より的確な判断を下せるようにし、品質や収益、環境に与える影響の改善を目指すADIの『Internet of Tomatoes』プログラムを拡大したものです。当社の作物監視ソリューションが信頼性の高い正確な情報を提供することで、農業を学ぶ学生や地元農家はより健康的で新鮮な、味の良い作物を育てられるようになります。これは作物監視ソリューションが、IoTを通じて真の変革をもたらし、その価値や可能性を拡げられることを示すものです」

一方、Cornucopia Projectのエグゼクティブディレクター Karen Hatcher氏は「アナログ・デバイセズはテクノロジーの進化を地元の食料システムに役立てる方法を検討していく上で、多大な貢献をしてくれています。私たちは21世紀の農業を担う次世代の農業従事者が、より質の高いトマトを大量かつ安定的に栽培していけるよう、研修を行っています。この取り組みは、中小規模の地元農家の経営状況を健全化して活力を与え、農家を取り巻くコミュニティを支援しようとするものです」とコメントしている。