島津製作所と太陽生命保険は8月22日、MCBIに共同出資したと発表した。

厚生労働省によると、認知症患者は2025年には約700万人に達し、65歳以上のシニア層の約5人に1人が認知症になると言われている。一方、認知症予備軍と言われる軽度認知障害(MCI)の段階で早期に生活習慣の改善を行うことが、認知症のリスク軽減につがることなどがわかっている。

MCBIは、筑波大学発バイオベンチャーであり、血液バイオマーカーを用いた画期的な血液検査による予防医療・先制医療支援に取り組んでいる。大きな社会問題となりつつある認知症について早期発見・予防に取り組んでおり、軽度認知障害(MCI)を早期に発見できる「MCIスクリーニング検査」を全国約1800の提携医療機関を通じて提供している。

島津製作所は質量分析装置や、医用イメージング装置による認知症、がん、生活習慣病などの早期発見・早期治療などのヘルスケア先端領域への取組み強化を図っている。今回の出資は、この取り組みの一環として、ヘルスケアスクリーニング事業の足がかりを得るものであり、将来はMCIスクリーニングに加え、がん、生活習慣病など複数項目の罹患リスクを一度の採血でスクリーニングする分子診断技術を確立し、社会課題の解決に貢献していきたいとしている。

太陽生命では、2016年6月より「健康寿命の延伸」という社会的課題にこたえるために「太陽の元気プロジェクト」を推進している。同年3月には、健康に不安のある方でも加入できる、認知症による所定の状態を保障する保険を発売。さらに、同年10月には、歩行速度を継続的に測定し、将来の認知症のリスク予兆を知らせるスマートフォンアプリの提供を開始するなど、シニアの顧客をサポートする各種サービスの充実を図っている。

なお、島津製作所と太陽生命は、今回の出資により、MCBIが最大限のパフォーマンスを実現できるよう協力して事業を支援し、ともに認知症という大きな社会的課題の解決に取り組んでいくと説明している。