TISインテックグループのアグレックスは8月21日、東京エレクトロンデバイス及びセールスフォース・ドットコムとのエコシステムにより、デバイスとCRMプラットフォームを繋ぐことで、IoT(Internet of Things)の先の新たなビジネスモデル構築を支援するという「IoC(Internet of Customers) PoC サービス」を提供開始すると発表した。基本パックメニューの価格は200万円(税別)。

IoC PoC サービスの概要

新サービスは、IoT のデバイス選定からデータ収集、PoC(Proof of Concept、概念検証)構築、結果の可視化、本格導入に向けての利用アドバイスまでを最短3カ月で行う。従来のモノとモノをつなぐだけのIoTの先にある、価値を新しく生み出す「顧客とつながるIoC」を支援するという。

東京エレクトロンデバイスが得意とするというセンサデバイスによるデータ取得からMicrosoft Azureへのデータ接続のノウハウと、セールスフォースが提供するCRMプラットフォーム「Salesforce」を利用し、ユーザー企業の新たなアイディアの検証・評価が可能になるという。

デバイスから得た機器データとSalesforceを繋ぐことで、モノのデータから顧客の行動分析や課題解決が可能となり、企業は多様な顧客に対して最適なアクションを最適なタイミングで起こすことで、新たなビジネスモデルの構築が可能となるとしている。

同サービスの特徴として、「温度や圧力など10種類のデータが取得できるマルチセンサの利用」「CRMシステムにIoTデータを連携して可視化」「テンプレート利用することで低価格・高品質に構築が可能」「将来的な拡張を考慮してデバイス管理も含めた上での本格的な設計が可能」「人工知能エンジンやビッグデータにも対応できる仕組み」の5点を挙げる。

パッケージ内容は、テキサス・インスツルメンツ(TI)のセンサタグ「CC2650STK」、アットマークテクノの「Armadillo-IoTゲートウェイ G3開発セット」、アグレックスの「AGREX IoT Suite(Microsoft Azure)」、セールスフォースの「Salesforceクラウドサービス」、セットアップアップガイドとなる。

CC2650STKは、温度・湿度/IR温度(赤外線温度)/ライト/圧力/加速度/ジャイロ/磁気/マイクの各センサを搭載。Bluetoothによるデータ送信と低消費電力プラットフォームによる長期のバッテリー動作により、どこでも評価測定ができるという。なお、同センサタグが業務要件に適合しない場合は、デバイス選定の見直しから支援を可能としている。

Armadillo-IoTゲートウェイ G3開発セットは、Azure Certified for IoTデバイスを取得済みの、量産対応可能なIoTプラットフォーム。有線・無線 LAN/Bluetooth/3Gモバイル通信(別途SIMが必要)のネットワークインタフェースに対応し、別売のアドオン・モジュールで機能拡張ができるという。

AGREX IoT Suite(Microsoft Azure)は、ゲートウェイとの接続および各種センサデータのデータ収集・可視化までを容易に評価を可能としている。Salesforceクラウドサービスに関しては、収集したデータを可視化・管理するテンプレートを提供する。セットアップアップガイドでは、マルチセンサタグからIoT ゲートウェイ、Salesforce接続およびデータ可視化までを構築済み。

なお、基本パックメニューの有効期限は3カ月であり、要件定義は2回程度、目的の設定からPoC実装・利用アドバイスまでを対象とする。オプションメニューのコンサルティングの価格は25万円(税別)~、工数消化型で30時間~、IoCコンサルティングを内容とする。