台湾TrendForceのDRAMeXchage部門は8月14日、Samsung Electronix、SK Hynix、Micron Technologyの大手DRAMメーカー3社の2017年第2四半期におけるサーバ用DRAMの売上高合計が、前四半期比で30.1%増となったことを発表した。サーバ向けDRAMは、供給不足が続いており、大手3社ともに製品構成の調整をして対処しようとしたにもかかわらず、DRAM市場におけるさまざまな需要拡大すべてに対応するのは困難だったとDRAMeXchangeでは分析している。

2017年第2四半期のサーバ向けDRAMメーカーの売上高ランキング(単位:百万ドル)。表の左から、順位、企業名、2017年第2四半期売上高、2017年第1四半期売上高、2017年第2四半期の対前期比増加率、2017年第2四半期のマーケットシェア、2017年第1四半期のマーケットシェア(%) (注:2017年第1四半期の為替レートは1ドル=1150ウオン、2017年第2四半期の為替レートは1ドル=1130ウオン) (出所:DRAMeXchange, 2017.8.)

DRAMeXchangeのアナリストであるMark Liu氏は、「2017年上半期は、サーバシステムに高密度な32GB RDIMMと64GB LRDIMMが採用されたこともあり、サーバシステムに搭載された平均メモリ容量も増加。これにより、サーバ向けDRAMの売上高も増加した」と述べているほか、今年の下半期はIntelの最新世代プラットフォーム「Purley(開発コード名)」を搭載したサーバが導入されることから、全体としてサーバ向けDRAMの供給不足の状態が解消される可能性は低いとしている。

3大メモリメーカーの動向

DRAM市場全体で高いシェアを獲得し、製造技術でもリードすることで優位性を保っているSamsung Electronics。サーバ向けDRAM市場でも、製品戦略があたったことで、第2四半期の売上高は、前年同期比36.5%増の19億9000万ドルを達成。世界市場シェアも44.8%となった。

2017年後半は、サーバODMとOEMが、新たなデータセンタープロジェクトによる需要が喚起されることが期待されることから、Samsungも従来とは異なる顧客への出荷を開始する見通しで、これによりさらなる高収益が達成される可能性が高い。

業界2位のSK Hynixの第2四半期のサーバ向けDRAMの売上高は同28.2%増の13億8000万ドルとなった。売上高の増加は主に、同社が製造能力の一部を(スマートフォン向けの)低消費電力DRAM製造からサーバ向けDRAM製造に移管したことに起因する。

このため同社の全体のDRAM製品構成におけるサーバ向けDRAMの比率は32%へと拡大している。製造技術に関しては、2017年後半に21nmプロセスを中心にサーバソリューションを生産する予定であり、継続して21nm製品のサーバ向けDRAMの総生産量を増やしていく計画としているほか、32GBモジュールの生産にも注力するようだ。

そして業界3位のMicron Technologyの第2四半期のサーバ向けDRAMの売上高は、同22%増の10億7000万ドルとなった。MicronはDRAM供給不足の状況下で、製品ミックスを適切に調整することで売り上げを伸ばしたほか、20nmプロセス品の歩留まりを引き上げることに成功。このため、第1四半期と比較してサーバ向けDRAMの出荷個数を増加させることができたほか、平均販売価格も上昇させることができたという。同社のDRAM出荷額のうち、サーバ向けDRAMは第1四半期ですでに30%程度を占めているが、今後もその比率を高めていくようだ。