台湾の市場調査企業であるTrendForceのDRAMeXchange部門は、PC向けDRAMの7月の契約価格が前月比4.6%増となったほか、サーバ用も同3%ほどの値上がりとなったとの調査結果を発表した。DRAM価格は、2016年後半より高騰をはじめ、2017年も上半期中に継続して値上がりを続けていたが、下半期に入っても上げどまることはなかった。

PC向けDRAMモジュールの平均契約価格は、2017年第1四半期には前期比40%増となる24ドルを付け、同第2四半期もさらに10%ほどの値上げとなる27ドルとなっていた。7月の動向を踏まえ、DRAMeXchangeでは、DRAM市場は今年後半も安定的に漸増すると見ている。

図 業界主流のDRAMであるDDRA4とその低電圧低消費電力版であるLPDDR4の平均契約価格(ドル)の推移(2016年第1四半期から2017年第2四半期までの実績値)。PCに主に使われるDDR4の価格が半年ほどで倍増している点に注目する必要がある (出所:DRAMeXchange)

Micronの台湾工場の事故がDRAMの供給不足を加速

2017年下半期のDRAM市場は、Micron Technology Taiwan(MTTW、旧Inotera)が所有するN2製造棟(ファブ2)の一時的な製造中断によって供給がタイトになっていることから、忙しい季節を迎えることになるとDRAMeXchangeの調査ディレクターであるAvril Wu氏は見通しを示している。 台湾にある同社のN2製造棟は、7月初旬にガス機器の故障によるシリコンウェハ汚染事故を起こし、清掃作業のために2週間の生産中止を余儀なくされていた

DRAMeXchangeの最新の調査によると、N2製造棟は7月中旬から通常の運用を再開したという。被害に関しては、製造ライン汚染によって2万枚を超えるウェハを破棄せざるを得なくなり、2週間の製造停止中に約3万枚のウェハを投入する機会を失ったとのことで、最終的にMTTWは合計で約5万枚のDRAMウェハを失ったこととなる。DRAM市場は、季節的な需要増加により下半期に再び上昇するため、今回のMTTWの損失は世界規模の供給不足の状況を悪化させる可能性が高い。

MTTWは、製造休止期間のロスを補うために、投入ウェハを増加させるための最善の努力をしているとしており、DRAMの供給不足が9月にさらに悪化するかどうかは、この増産がどこまでいけるかにかかっていると言えるだろう。

強まるモバイルおよびサーバ向け需要

また、DRAMeXchangeは、DRAMのビット需要の伸びは、2017年全体のDRAM市場のビット供給の伸びをはるかに上回るだろうとの見方も示している。今年の年間ビット供給の伸び率は、今のところ前年比19.5%と予測されている。昨年のビット供給の伸びは25%だったからそれより低い。今年の年間のビット需要の伸びは22%以上と見積もられている。

今後も、モバイルへのアプリケーションが引き続き世界のDRAM供給の主要な消費先となる見通しだ。中国メーカーのスマートフォンが各社ともに出荷予測を下回っている状況だが、AppleとSamsungは今年の下半期にそれぞれのiPhoneとGalaxy Noteシリーズの次世代モデルをリリースする計画を崩していない。これらの機種が従来よりさらに多くのメモリを搭載することで、それ以降に発売されるハイエンドのスマートフォンは、DRAMビット需要の主な成長ドライバーとなるという。

なお、DRAMeXchangeの価格分析によると、モバイル向けDRAMの価格は、第3四半期(7~9月期)の初めには横ばいであったが、第4四半期(10~12月期)には上昇する可能性が高いとしているほか、2017年の下半期のDRAM全体におけるビット容量拡大は限定的であり、大きな期待はできないと予想している。