台湾ASUSTeK Computerは8月17日、同社製スマートフォンの新製品として「ZenFone 4」シリーズを発表した。「ZenFone 4」「ZenFone 4 Pro」「ZenFone 4 Selfie」「ZenFone 4 Selfie Pro」「ZenFone 4 Max Pro」の5モデルを展開する。価格は「ZenFone 4」が399ドルから、「ZenFone 4 Pro」が599ドルから、「ZenFone 4 Selfie」が279ドルから、「ZenFone 4 Selfie Pro」が379ドルから。

現時点で国内での発売などについては明らかにされていない。

すべてデュアルカメラを搭載したZenFone 4シリーズ

アウト側にデュアルカメラ搭載の「ZenFone 4」「ZenFone 4 Pro」

ZenFone 4シリーズは、発表会タイトルの「We Love Photo」が示すようにカメラ機能を特に重視した製品で、5モデルともデュアルカメラが採用されている。このうち、ZenFone 4とZenFone 4 Proは、アウトカメラ側に焦点距離の異なる2つのレンズを備えたデュアルカメラを搭載する。

ZenFone 4(右)とZenFone 4 Pro(左)

メインカメラは、ソニー製IMX362センサーを採用。有効画素数1,200万画素、1/2.55インチで画素ピッチが1.4μmと大型のため、ほかのセンサーより光を取り込みやすく、暗所での高画質化が期待できる。

また「IMX362センサー」は、画素の半分を位相差AFセンサーとして利用するデュアルピクセルセンサーで、位相差AF、レーザーAF、動体追尾AFの3つの機能を備えた「ASUS TriTech+」を実現し、最速で0.03秒という高速AFが可能になるという。

カメラ部のデザインはZenFone 4(右)とZenFone 4 Pro(左)では異なり、ZenFone 4はフルフラット

ZenFone 4は、メインが画角82度、35mm判換算25mmのレンズ、もう一方が画角120度、同12mmの超広角レンズで、この2つを切り替えて風景や狭い場所での撮影といった、広い範囲を撮影したいときに活用できる。メインが1,200万画素センサー・レンズのF値F1.8に対し、超広角レンズ側は有効画素数800万画素センサーにF値F2.2のレンズを搭載する。

ZenFone 4のカメラスペック

超広角レンズに切り替えることで、より広い範囲を撮影できる

ZenFone 4 Proは、メインが画角83度、同25mm、もう一方が画角47度、同50mmのレンズを搭載する。メインが有効画素数1200万画素・レンズのF値F1.7に対し、有効画素数1600万画素・F1,9のレンズで、それぞれ「広角レンズ」と「標準レンズ」という位置付けになる。

ZenFone 4 Proのカメラスペック

これらを切り替えて、より遠くのものをアップで撮影したい場合や人物のポートレート撮影をしたい場合などのシチュエーションで活用できる。ASUSでは「光学2倍ズーム」と表現しているが、実際にはレンズを切り替えているので、1倍から2倍までの間はデジタルズームとなる。

メインカメラに対して光学2倍の焦点距離で撮影できるため、より遠くのものを拡大して撮影できる

ZenFone 4とZenFone 4 Proでは、「Proモード」という細かな撮影設定やRAW撮影の対応、背景ボケを作るポートレートモードなど、豊富なカメラ機能を搭載。メインカメラのレンズには4軸4段分の光学式手ブレ補正(OIS)が搭載されている。なお、ZenFone 4 Proのインカメラは位相差AFセンサーを備えたソニー製1/3型IMX319センサーに、焦点距離22mm(88度)、F値F1.9のレンズを搭載している。

いずれもディスプレイは5.5インチで、解像度はフルHD。2.1mmの狭額縁でフラットなデザインが特徴的だ。ZenFone 4はSuper IPS+液晶、ZenFone 4 Proは有機ELディスプレイを採用する。厚さはともに7.5mmだが、重さはそれぞれ165g、175g。

ZenFone 4のプロセッサはQualcomm Snapdragon 660。下り最大600MbpsのLTE Cat 12/13や4G/3GのDSDS(Dual SIM Dual Standby)をサポートする。メモリは最大6GB、ストレージは最大64GB、バッテリーは3300mAh、OSはAndroid 7.0を搭載する。

一方のZenFone 4 Proは、プロセッサがSnapdragon 835で、下り最大1GBのLTE Cat 16に対応。こちらもDSDSをサポートする。メモリは最大6GB、ストレージは最大128GB、バッテリーは3600mAh、OSはAndroid 7.1だ。

イン側にデュアルカメラ搭載の「ZenFone 4 Selfie」「ZenFone 4 Selfie Pro」

ZenFone 4 SelfieとZenFone 4 Selfie Proは、インカメラ側にデュアルレンズを採用した製品で、セルフィーを重視したモデルだ。ZenFone 4 Selfieはメインカメラが有効画素数2,000万画素センサーで、レンズの画角は69度、もう一方のカメラが有効画素数1,600万画素センサー、画角120度のレンズを搭載する。ZenFone 4 Selfie Proは、メインが有効画素数1,200万画素センサーで、レンズの画角は83度、もう一方が1,600万画素センサー、画角120度のレンズを搭載する。

ZenFone 4 Selfie(右)とZenFone 4 Selfie Pro(左)

それぞれのカメラスペック

いずれも超広角レンズとの切り替えで、大人数でのセルフィーや、背景を広く入れたセルフィーなどで威力を発揮するだろう。

ビューティーモードなどの自撮りに適した機能も搭載

ビューティーモードを適用しながらライブ配信する「BeautyLive」機能も搭載

なお、ZenFone 4 Selfie Proのインカメラは画素ピッチ1.4μm・デュアルピクセル対応のソニー製IMX362センサー。F値F1.8の明るいレンズを搭載し、4Kビデオの撮影もサポートするなど、より高機能で高画質なカメラ機能が期待できる。

アウトカメラはいずれも有効画素数1600万画素で位相差AFセンサーを備えて高速なAFが可能。さらにZenFone 4 Selfie Proは4K動画の撮影にも対応する。

ディスプレイはどちらも5.5インチで、ZenFone 4 SelfieはHD解像度のIPS液晶、ZenFone 4 Selfie ProはフルHD解像度の有機ELを搭載する。

ZenFone 4 Selfieの仕様は、プロセッサがSnapdragon 625、メモリが3GB/4GB、ストレージが64GB、バッテリーが3,000mAh、OSがAndroid 7.0。一方のZenFone 4 Selfie Proは、プロセッサがSnapdragon 430、メモリが4GB、ストレージが64GB、バッテリーが3,000mAh、OSがAndroid 7.0となっている。

大容量バッテリー搭載の「ZenFone 4 Max Pro」

ZenFone 4 Max Proは、大容量バッテリーを搭載して長時間駆動を目指したモデル。アウトカメラがデュアルカメラとなっており、カメラ機能も強化されている。

ZenFone 4 Max Pro

メインカメラは有効画素数1,600万画素センサーを搭載し、位相差AFセンサーも備える。レンズの画角は80度。もう一方はレンズの画角が120度、有効画素数500万画素のセンサーを搭載。広い範囲を撮影したい場合に切り替えて撮影ができる。

ZenFone 4 Max Proもデュアルカメラを搭載

5,000mAhという大容量のバッテリーを搭載することで、Webブラウジングで26時間、動画撮影では22時間という長時間駆動を可能にした。また、この大容量バッテリーを生かして、ほかのスマートフォンなどを充電する機能も搭載する。

5,000mAhのバッテリーを搭載して、1A出力でほかのデバイスに充電できる

また、バッテリー容量はiPhone 7 Plusの2,900mAhに対して72%増だが、オンラインビデオの再生時間は5時間52分に対して12時間45分の117%増と、他社製スマートフォンと比べてバッテリー容量の差以上の長時間駆動を実現したとアピールする。

他社と比較して、バッテリー容量の差以上に駆動時間が延びている

バッテリー駆動時間を伸ばす「ASUS PowerMaster」を搭載

12もの技術を搭載してバッテリーの安全性を高めている

ディスプレイは5.5インチのHDディスプレイで、オクタコアプロセッサを搭載する。メモリは3GB、ストレージは32GB、OSはAndroid 7.0。