近大、「青銅比」で構成される準結晶のタイリングを発見

近畿大学(近大)は8月15日、準結晶の構造について、人間が美しいと感じる比率「金属比」の一種である「青銅比」で構成される準結晶のタイリングを発見したと発表した。

同成果は、近畿大学理工学部理学科 堂寺知成教授らの研究グループによるもので、8月14日付の英国科学誌「Nature Materials」に掲載された。

人間が美しいと感じるとされる長方形の比率である金属比は、2次方程式𝑥²-𝑘𝑥-1=0の正の解で、𝑘=1が黄金比、𝑘=2が白銀比、𝑘=3は青銅比となる。黄金比は正10角形準結晶や正20面体準結晶に、白銀比は正8角形準結晶に関連していることが知られているが、青銅比が関係した準結晶は知られていなかった。

同研究グループは今回、小正三角形、大正三角形、長方形の3種類のタイルを使って青銅比に基づく自己相似な6回の回転対称性を持つタイリングを発見。さらに、分子シミュレーションを用いて、実際に青銅比準結晶ができることを示した。

青銅比準結晶のタイリング。2種類の大きさの正三角形と、1種類の長方形で構成される

今回発見された3種類のタイル。それぞれの図形と黒枠の図形が青銅比(1:3.303)になっている(左:赤い小正三角形、中央:青い大正三角形、右:黄色の長方形)

実際に、最近発見された酸化物準結晶やナノ粒子準結晶にも、小正三角形、大正三角形、長方形が現れているという。また従来、6回の回転対称性は、結晶を示す性質と考えられていたが、今回の発見によってその常識が覆されたといえる。

同研究グループは今後、青銅比タイリングを元に、ソフトマター準結晶や合金系準結晶など新しい準結晶の発見が期待されるとしている。



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