ルフトハンザ グループは8月10日、ルフトハンザ ドイツ航空の機内にて、38歳の女性が男児を出産したと発表した。

機内で誕生した赤ちゃんと乗組員

7月26日、ボゴタ(コロンビア)発フランクフルト行きのルフトハンザ ドイツ航空LH543便の機内にて、ブルガリア出身の38歳の女性が男児を出産した。出生時の12時37分当時、同便は北緯49度・西経21度の北大西洋上空、高度3万9,000フィート(約1万1,800m)地点を通過していた。なお、母子ともに健康だった。

機体記号D-AIFC(愛称「ガンダー/ハリファクス」)のエアバスA340-300は現地時間の7月25日21時、乗客191人と乗員13人を乗せてコロンビアの首都ボゴダを出発。フライト中、女性の早産による陣痛が始まったため、客室乗務員は乗客数人の座席を移動し、目隠しのスクリーンで覆われた即席の分娩室を設置した。偶然乗り合わせた医師3人と客室乗務員の助けにより無事、赤ちゃんが誕生。母となったデシスラヴァ・K氏は助けてくれた人々に感謝し、息子を医師の一人と同じ「ニコライ」と名付けたという。

母子に可能な限り早く医療的ケアを受けさせるため、機長はマンチェスター(英国)に臨時着陸することを決断。192人となった乗客を乗せ、現地時間13時9分に同地に着陸した。母子を救急医療隊員に無事引き渡した後、機長は再びフランクフルト国際空港に向けて出発。この特別なフライトはその後、現地時間17時28分にフランクフルトに着陸している。

機内での出産は非常に珍しく、ルフトハンザでは1965年以降11人目の誕生となる。客室乗務員は、機内で分娩があった場合の応急処置や、医療器具の使用方法を含む救急処置訓練を定期的に受けており、また同社は妊婦に対して、搭乗予定のフライトについてかかりつけの産科医と相談するよう求めている。合併症のない妊婦は妊娠36週の終わりまでフライトを利用できるが、28週以降はかかりつけの産科医による診断書を用意するよう求めているとのこと。