Bloomberg Technologyに7月31日に掲載された記事「Alphabet Wants to Fix Renewable Energy’s Storage Problem — With Salt - Bloomberg」が、Googleの親会社であるAlphabetが「Malta」と呼ばれるエネルギーストレージシステムの開発を行っていると伝えた。従来のエネルギーストレージシステムよりも廉価で、しかも設置可能な条件も広がる可能性があるという。

この開発を行っているのは、Alphabetで次世代技術の開発を担うプロジェクト。自動運転やARなど、さまざまな先端技術に取り組んでいる。

太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの活用においては、電気エネルギーをいかに蓄えるかが課題となっている。また、生産の調整が難しい再生可能エネルギー発電を有効活用するには、発電した電気を別の形に変換して貯蔵する必要がある。記事では、こうした方法の1つとしてAlphabetが進めている取り組みを紹介している。

Maltaのストレージシステムでは電気の形でエネルギーを取り込み、暖かい空気と冷たい空気に変換。それぞれを塩および不凍液の形で熱エネルギーとして保持し、電気エネルギーが必要になった段階で熱をタービンの回転に変換して電気エネルギーを生み出す仕組みになっている。

記事では「冷蔵庫とジェットタービンが同居したようなシステム」と表現している。このシステムは従来のエネルギーストレージと比較して、開発コストを抑えられる可能性があるとされているほか、設置条件も広いとされており、さまざまな場所で建築できる可能性がある。

プロジェクト「Malta」のチームが働く様子 写真: X