市場動向調査企業である英IHS Markitは8月3日(英国時間)、2017年第2四半期の世界スマートフォン(スマホ)市場は、前年同四半期比7%増となる3億5090万台へと成長を果たしたとの速報値を発表した。

出荷台数トップのSamsung Electronicsのみならず、2位のApple以下、3位のHuawei、4位のOppo、5位のVivo、そして6位のXiaomiまでもがプラス成長を達成したが、この6社以外のサプライヤの総計は、同9%減のマイナス成長と、明暗が分かれた格好となった。

表 2017年第2四半期世界スマホベンダの出荷台数ランキングトップ6。表の左から、企業名、2017年第2四半期出荷額(百万台)、同四半期のマーケットシェア(%)、前年同四半期比の増減率(%) (出所:IHS Markit)

トップのSamsungの同四半期におけるスマホの出荷台数は前年同四半期比3%増の7940万台となった。また、最新モデルとなるGalaxy S8 / S8 Plusの発売で、売上高も同11%増の28兆2900億ウォンとなったが、市場シェアそのものは、中国市場での苦戦により、前年同四半期の24%から23%へ1ポイント低下となった。

2位のAppleの同四半期におけるスマホの出荷台数は、同2%増となる4100万台となった。同社は、2017年の晩夏かか早秋ころにかけて、iPhoneの次世代モデル(10周年記念モデル)の発売を予定しているとされるが、消費者の前評判のおかげで、前年比で出荷量を増やすことができそうだ。大画面化に向けた市場全体の傾向を反映して高級なiPhone 7 Plusモデルに対する需要も引き続き強いという。

3位のHuaweiの出荷台数は、同20%増の3850万台で、市場シェアも11%と2位Appleに1%差まで詰め寄っている。そんな同社の同四半期の業績は、旗艦スマホ「P10」が利益を生み出したほか、国際市場への積極的な展開も進めており、こうした動きはほかの中国勢には今のところ真似できないものといえる。

4位のOppoと5位のVivoも、それぞれ同四半期は同39%増の3050万台、同45%増の2390万台と大きな成長を達成した。いずれも、中国市場が成長を支えており、その勢いにより、市場シェアも同2ポイント増となる9%ならびに7%となった。

そして6位のXiaomiだが、出荷台数は同52%増の2320万台と大きく伸ばしたものの、それでもトップ5に入るには伸びが足りなかった。同社は、2017年第1四半期の出荷台数が1280万台まで落ちたが、中国における小売チャネルの拡充と、インドやロシアなどにおける売り上げ拡大により、出荷台数の増加を達成。目下の競合であるLG ElectronicsやLenovo、ZTEなどを引き離すことに成功したという。

なお、これらトップ6を除いたその他の企業の中にはLGが含まれている。同社の同四半期における出荷台数は前年同四半期比4.3%減の1330万台となっている。2017年初頭に、業界のトレンドである18:9アスペクト比のディスプレイを搭載した旗艦モデル「G6」を発売したが、市場での地位を固めたり、出荷台数の増加につながることはなかった模様だ。一方、Galaxy NoteとApple iPhoneは次世代の発売を控えている状態であり、これらが発売されると、第3四半期以降のスマホの出荷台数を押し上げるのみならず、2018年にかけてのスマホ市場全体の成長を加速する可能性を秘めているとIHSではコメントしている。