半導体市場調査企業である仏Yole Developpement グループのIP戦略コンサルティング企業KnowMadeは8月3日(仏時間)、100組織を超える世界中の企業や大学、研究機関が出願したGaNなどの第III族元素と窒素の化合物に関連する特許を監視し顧客に報告するサービス「III-N Patent Watchサービス」の開始にあたって、1990年以降に取得された8万件以上のIII-N族技術に関する特許を分析した結果を発表した。

これによると、III-N族の最初の特許出願ブームは2000年代に到来。その後、GaN製品が登場し、各社の協業やM&Aが盛んになった2010年代に再びブームが到来したという。こうした中、最も特許取得数が多い分野がLED/照明分野で、その割合は全体の32%に達する。次いでパワーデバイス(同25%)、レーザー(16%)と続くほか、今後の市場拡大が期待される太陽光発電、MEMS/センサ、RF用途関連は、同3%、2%、2%とまだまだ低い。また、エピ構造に関する特許は同16%、GaN基板に関する特許も同4%と、基板そのものの開発に関する特許も多い。

なお、Yoleによると、LED、RF、パワー、レーザーを含む世界GaN市場の規模は2016年で160億ドルであったと推定されるが、新たな応用分野の出現で市場は拡大基調にあることから、2020年に向けて年率平均5%で成長が続き、2020年には200億ドル規模に達すると予測している。

GaNなどのIII-N族半導体に関する特許の分野別内訳 (出所:KnowMade)