トヨタ自動車とマツダは4日、持続的な協業関係のさらなる強化を目的に、業務資本提携に関する合意書を締結したと発表した。

トヨタとマツダは2015年5月、業務提携に向けて基本合意したと発表していた

自動車産業は現在、環境・安全に関わる規制強化、異業種参入、モビリティビジネスの多様化など、大きな変革期を迎えている。このような状況下で両社は、それぞれが得意とする技術や事業基盤のさらなる強化のみならず、今回の提携を通じて協力関係をより深化させることにより、この変革期にともに挑み、克服することによって、持続的成長を実現していきたいとしている。

トヨタとマツダは2015年5月13日、「クルマが持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭に、互いの経営資源の活用や商品・技術の補完など、相互にシナジー効果を発揮しうる継続性のある協力関係の構築に向けた覚書に調印。それ以降、両社は対等かつ良好な関係を長期にわたって構築するという基本的な協業精神の下、さまざまな分野について協議してきた。今回の合意書締結は、2年間にわたり両社が真摯かつ丁寧に協議を積み重ねてきた成果を確認および表明するものであり、今後は両社のさらなる持続的、発展的提携強化・加速につなげるための一里塚となるものだという。

具体的には「米国での完成車の生産合弁会社設立」「電気自動車の共同技術開発」「コネクティッド技術の共同開発」「先進安全分野における技術連携」および「商品補完の拡充」を推進していくことに合意した。また、両社の長期的なパートナー関係の発展・強化をめざすとともに、両社の対等かつ独立性を維持した継続性のある協業を追求すべく、マツダが行う第三者割当増資をトヨタが引き受けてマツダの株式を取得すること、あわせてトヨタが行う第三者割当による自己株式の処分をマツダが引き受けて同額相当のトヨタの株式を取得することについても合意している。

「米国での完成車の生産合弁会社設立」では、30万台規模の生産能力を持つ完成車の生産に関わる新たな合弁会社を米国に両社折半出資で設立することについて検討を進めていく。合弁会社では、マツダが北米市場に新しく導入するクロスオーバー車種およびトヨタの北米市場向け「カローラ」の生産を行うことを想定。「電気自動車の共同技術開発」では、各国の規制や市場動向に柔軟かつ迅速に対応でき、競争力のあるEVの基本構造に関する技術を共同で開発することを検討する。

「コネクティッド技術の共同開発」と「先進安全分野における技術連携」では、車載用マルチメディアシステム関連技術の共同開発を進める。「商品補完の拡充」では、すでに北米においてマツダからトヨタにコンパクトセダンを供給しており、これに加えて日本においてもトヨタからマツダへ小型商用2ボックスバンを供給。その他にも今後、グローバルに商品補完の可能性を検討する。

今後は両社がそれぞれの経営の自主性を尊重し、対等かつ良好な関係を中長期にわたり構築することで、各共同プロジェクトでの協業実現に向けて検討を進め、「クルマの新たな価値創造」に向け、長期的パートナーとして相互協力をさらに加速・発展させ、消費者の期待に応えることを通じて持続可能な社会の発展に貢献していくとしている。