アストラゼネカと米メルク・アンド・カンパニーは、複数のがん種を対象として、オラパリブを共同開発・商品化する戦略的提携を合意したと発表した。

オラパリブは、経口ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤であり、海外において、複数の前治療歴のあるBRCA遺伝子変異陽性卵巣がんの治療薬として承認されている(日本では未承認)。オラパリブのパイプラインは近年拡大しており、現在、乳がんや前立腺がん、および膵臓がんを含む14の適応症に対して開発が進展している。

アストラゼネカは、オラパリブを単独療法および他開発品との併用療法として、共同開発ならびに製品化を進めていく。また、両社は個々に、それぞれの抗PD-L1抗体デュルバルマブおよび抗PD-1抗体キイトルーダとオラパリブの併用について、開発・製品化していく予定。同時に、アストラゼネカが現在開発中のMEK阻害剤セルメチニブについても共同開発ならびに製品化を進めていくという。

なお、今回の提携に関してアストラゼネカの最高経営責任者であるパスカル・ソリオCEOは「同提携は、さまざまな腫瘍において、PARP阻害剤ならびにMEK阻害剤と抗PD-L1/PD-1抗体との併用が可能であるとの科学的証拠に基づいたもの。両社の専門知識を結集することで、PARP阻害剤であるオラパリブが、さまざまながん免疫療法の重要な基盤薬となる可能性を加速的に促進していく」とコメントしている。