日本IBMは8月1日、ハイブリッドクラウド環境で稼働するアプリケーションを監視し、エンドユーザーに影響が及ぶ前に問題を検知できるという「IBM Cloud Application Performance Management」を提供開始した。

同社は、オンプレミスとクラウド環境が混在するハイブリッドクラウド環境の運用管理を支援するため、既存システムを置き換えることなく、自動化・可視化・コグニティブ利用などの機能を実装してシステム運用管理製品の拡充を進めている。

ハイブリッドクラウド時代のシステム運用管理では、オンプレミスで稼働するアプリケーション、パブリッククラウドに移行したアプリケーションおよびクラウドで開発したクラウドネイティブアプリケーションを一元管理する必要が高まっているという。

また、オペレーションの効率的な管理に加え、管理対象となるアプリケーションの増加への対応、システム環境の稼働状況の監視と異常検知の自動化、オペレーションの可視化、サービス品質の向上が求められているとしている。

同社は、このようなシステム環境の多様化やビジネスニーズを踏まえて、ハイブリッドクラウド環境におけるアプリケーションの運用管理を支援する製品「IBM Operations Analytics Predictive Insights」を2017年5月から、「Netcool Operations Insight」を2017年6月からそれぞれ提供を開始している。

今回、新たに提供開始するIBM Cloud Application Performance Managementは、オンプレミスを含むハイブリッドクラウド環境で稼働する複数アプリケーションの複雑なパフォーマン障害や可用性を検知する。

アプリケーションが稼働するOSやミドルウェア、プロトコルやトランザクションの監視、さらにクライアント応答やロボット応答によるユーザー体験の管理など、幅広い監視領域と機能により、エンドユーザーが気付く前にプロアクティブな障害対応を取ることを可能にしているという。

さらに、パブリッククラウド上で稼働している他社サービスの監視も可能とし、対応サービスを継続的に拡大している。これらの監視によるアプリケーションの稼働状況は、1つのダッシュボード(管理画面)で表示する。

これにより、アプリケーションの開発部門と運用管理部門のユーザーは、システム環境によってダッシュボードを使い分ける必要がなく、障害検知と問題箇所の特定を迅速に行えるとしている。ダッシュボードは、新規デザイナーツールにより容易に作成・カスタマイズが可能であり、さらにCSVレポートへのエクスポートも可能としている。