順天堂大学は、同大学医学部附属順天堂医院 脳神経内科が、パーキンソン病や認知症に代表される神経疾患や慢性疾患によって通院が困難な患者のために、本格的な遠隔診療サービスを開始することを発表した。

遠隔診療サービスのイメージ(出所:順天堂大学ニュースリリース)

同サービスは、IBMの遠隔診療支援アプリを用いて遠隔診療を行うもので、パーキンソン病など、 慢性疾患患者さんの通院にかかる身体的・経済的な負担を軽減することを目的としている。

また、患者および利用者のメリットとして、患者自身あるいは家族の通院にかかる身体的・経済的負担を大幅に軽減できるほか、家族のみならず医療・介護関係者も主治医の顔を見ながら話すことで、 通院における対面診療と同様の信頼関係を築くことが可能となる。さらに、日常の生活ぶりを主治医、 医療・介護関係者と共有することで、状況に最も適した医療支援を受けられるようになることが挙げられる。

一方、医師にとってのメリットとしては、患者、家族、医療・介護関係者がコミュニケーションを図ることで、 遠方にいる患者に対して効率よく診療サービスを提供することが可能となる。また、患者の自然な映像と音声により在宅及び外出先の状態を把握することができ、処方内容の参考にすることができるほか、地域の診療所との連携も可能となる。

今後は、iPad利用者に関わるさまざまな医療・介護の現場で使われることでデータが蓄積され、将来は最新のCognitiveテクノロジー(音声・動画などの情報を継続的に学習し、 人間の意思決定を支援する技術)による、ビッグデータ分析に基づいた個人向けアドバイスの提供を目指すということだ。