弘前大学と東北電力は、AI(人工知能)を活用した通話のテキスト化と文章の要約に関する共同研究の実施について、共同研究契約を締結したことを発表した。

共同研究の内容は、東北電力コールセンターの通話音声データについて、AIの音声認識技術・言語処理技術を活用して、テキストデータ化および自動要約を行い、要約結果が実用的な文章として理解できるかの評価と検証を行うというものとなっている。

AIを活用した通話のテキスト化と要約に関する共同研究(イメージ)

具体的には、弘前大学が作成する方言データベースを用いて、津軽弁の音声認識を行い、標準語によるテキストデータへの変換を行うとともに、AIによる音声認識技術の精度について、同大が保有する言語分野に関する知見を活用しながら検証するというものとなる。

同大は、現在、AIを活用したゲノム解読の研究などに取り組んでおり、今後の研究領域として、音声分野における研究データの蓄積を進めることを目指している。今回の取り組みで得られる研究成果については、医療現場における患者との対話記録の作成などへの活用を検討するほか、音声認識技術や言語処理技術の応用研究を進めることで、さまざまな分野での事業としての活用を検討していくとしている。

一方の東北電力は、顧客から年間150万件の申し込みや問い合わせの電話をコールセンターで受け付けており、待ち時間や通話時間を短縮することが課題となっているとのことで、今回の研究で得られた成果を、今後のサービスの向上に向けて活用を検討していきたいとしている。

なお、研究の期間は、2017年8月1日から2018年1月31日を予定している。