歌手の美川憲一(71)が、26日に放送されたフジテレビ系バラエティ番組『良かれと思って!』(毎週水曜22:00~22:54)で、"引退詐欺"として番組内で取り上げられた歌手・misono(32)にアドバイスした。

misono

視聴者からの「愛のあるダメ出し」をゲストにぶつける同番組。26歳女性からの「引退宣言を繰り返していますが、ずっと閉店セールをやっているみたい。最初からやめる気なんてなかったと謝るべき」に、misonoは「繰り返してない」と即座に反論した。

misonoの説明によると、もともと「30歳でやめよう」と考えていた中、ある番組の打ち合わせでスタッフから「来年30歳になりますが、目標は?」と聞かれ、「完全燃焼してやりたいことはすべてやらせてもらえたし、芸能界で30歳以降は考えてないです」と返答。結果的にそのことが「引退宣言」へと発展する。

misonoは「ここから先は自分が悪い」と前置きし、夢だった声優やミュージカル主演の仕事が引退宣言後に舞い込んだことで考えが変わったという。「引退宣言が出ているので」と断ろうとしたが「misonoさんしかいない」と説得されて続けることを決意。ロックバンド「Highside」ドラム・Nosuke(28)と結婚式を挙げたばかりだが、今でも芸能活動を続けているのは「フィアンセのため」だという。

そのことについてmisonoは、Nosukeの収入だけでは「生活できない」といい、共働きではなく「彼が売れてくれれば」という考え。「子どもが幸せに暮らせるぐらいのお金を彼が稼いでくれるのであれば、うちは今すぐにでも消えてなくなりたい」と芸能界への未練がないことを訴え、"引き際"を暗に示した。

misonoの主張を黙って聞いていた美川だったが、「『消えてなくなりたい』と言うけど、この世界でこうやってお仕事が来たらうれしいと思うでしょ?」と優しく語りかけ、「消える時は潮が引くようにすぐに消えるわよ。だから『消える消える』なんて言わない方がいいと思う」と苦言を呈した。

さらに、「歌手をやって、オリコンで上位にもなったんでしょ?」とday after tomorrow時代からの実績と実力を認め、「簡単に『やめる』という神経が分からない。歌って『永遠』のものだと思うのよね。売れなくても小さなライブをやるとか。歌をやったら、お客さんの生のステージで拍手された時の喜び、あなた分かるでしょ?」。

美川の言葉を真剣に聞き入っていたmisonoは、「歌っても売れなかったんですよ。求められてないんだと思って」と神妙な面持ちだったが、「今はものまね番組に出させてもらって……」とオチをつけスタジオ爆笑。美川も笑いながら、「今はアイドル以外、CDはそんなに売れない」と理解を示しつつ、「自分の中で情熱を燃やして前に進んでいった方がいい。もったいない」と今後の可能性に期待を寄せた。