日立産機システムは、再生医療用の細胞操作を清浄度グレードAで行うことができる再生医療用キャビネット「RCVシリーズ」(RCV-1900/RCV-1300)の販売を8月1日より開始することを発表した。

再生医療用キャビネット(左:RCV-1900、右:RCV-1300)(出所:日立ニュースリリース)

再生医療用の細胞操作は、研究機関や細胞加工施設などのクリーンな環境で行われ、従来はクリーンベンチやバイオハザード対策用キャビネットを使うことが一般的であった。近年、さらに作業室内における高い清浄度と作業者に対する高い安全性、細胞の汚染防止などが求められている。

今回販売される「RCVシリーズ」は、作業室内は清浄度グレードAを満たすクリーンな環境での細胞操作を可能にする再生医療用キャビネット。インキュベータ(細胞培養器)に接続できるため、外気に触れることなく清浄空間内で細胞の受け渡しが可能になる。バイオハザード対策用クラスIIキャビネットの「作業者の安全性試験」を実施し、安全性を高めている。

また、同シリーズには、作業者1名にとって標準的な作業スペースである1300mm幅の「RCV-1300」と、複数名での作業が可能な1950mm幅の「RCV-1900」のふたつのモデルが用意され、インキュベータなどの関連機器への接続や使用目的に応じて必要となるネットワークカメラやスピーカーなどの取り付けが容易に行える。

さらに、作業手順書や製品内に設置した細胞観察装置で撮影した細胞などの映像(画像)を前面モニタで確認できるほか、ダストシュート(廃棄容器)は左右2カ所からの選択設置に対応する(RCV-1900のみ)。

このほか、簡易クリーンブースやインキュベータ(細胞培養器)などが接続でき、機器内部間で細胞の受け渡しが可能であることや、浮遊菌やパーティクル監視のためのネットワークカメラやスピーカーを取り付けるなどさまざまな機器を設置可能で、細胞操作のさまざまな用途に対応するなどの特長を有している。

なお、サイズはRCV-1300が幅1620mm×奥行1170mm×高さ2340mm(作業室内寸法は幅1300mm×奥行800mm×高さ675mm)、重量は390kg。RCV-1900が幅2370mm×奥行1170mm×高さ2340mm(作業室内寸法は幅1950mm×奥行800mm×高さ675mm)、重量は510kg。集じん要素/集じん効率はHEPAフィルタ (0.3μm粒子にて99.99%以上)、作業室内清浄度はISOクラス5(旧米国連邦規格 クラス100、シャッタを200mm開放の場合) 周囲クラスISO8(同クラス100,000)。