京大ら、銅酸化物高温超伝導体における四半世紀の謎を解明

京都大学(京大)は7月25日、銅酸化物高温超伝導体が超伝導状態になる過程で現れる特異な金属状態を解析し、電子が集団的な自己組織化によって配列し、ある種の液晶状態が作られていることを発見したと発表した。

同成果は、同大の佐藤雄貴 理学研究科修士課程学生、笠原成 同助教、松田祐司 同教授らの研究グループ、ならびに東京大学、九州産業大学、韓国科学技術院、ドイツ・マックスプランク研究所と共同で行われたもの。詳細は英国の学術誌「Nature Physics」に掲載された。

銅酸化物高温超伝導体では、超伝導を示すよりも高温で、一部の特定方向の電子が消失する特異な金属状態が現れることが研究初期より観測されていた。この状態は擬ギャップ状態と呼ばれており、この状態がどのようにして生じ、また高温超伝導の発現機構とどのように関連するのかは、四半世紀をこえる高温超伝導の歴史において最大の謎の1つであった。

同グループは、磁気トルク測定という超高感度磁気測定を用いることで、擬ギャップ状態での磁気的性質を高精度で調べ、電子が集団的な自己組織化によって配列することで一種の液晶状態に変化していることを発見した。

なお、研究グループでは、今回の成果について、高温超伝導の発現機構の理解に重要な指針を与えるものと期待されるとしており、この自発的に非対称性をもった電子状態と高温超伝導の発現機構がどのような関わりを持っているかについて、今後、議論を呼ぶことが予想されるとしている。

高感度磁気トルク測定と電子集団の秩序化のイメージ(出所:京都大学webサイト)



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