おいでませ山口観光キャンペーン推進協議会とJRグループは25日、「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」(山口DC)の各企画について発表した。「SLやまぐち号」新客車の運行開始に加え、「SL『ありがとうレトロ客車』号」の運行、蒸気機関車D51形の復活運転など、SL関連の記念イベントを開催することも発表している。

「SLやまぐち号」は8月27日まで現行のレトロ客車(12系客車)で運行。9月2日には、山口DCオープニングイベントの取組みとして、「SL『ありがとうレトロ客車』号」が津和野発新山口行で運行される

「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」(山口DC)は、明治維新150年に向けて山口県が展開する「やまぐち幕末ISHIN祭」の中核事業として、2017年9~12月に開催。おいでませ山口観光キャンペーン推進協議会(県、市町、観光関係団体など194団体で構成)とJRグループが連携し、「維新の風が誘(いざな)う。おもしろき国 山口」をキャッチフレーズに「物語ISHIN」「感動ISHIN」「ぶちうま! ISHIN」「悠々ISHIN」「体感ISHIN」「おもてなしISHIN」の各テーマに沿った特別企画やイベントを実施する。

1979年から復活運転が始まり、山口県観光のシンボルとなっている「SLやまぐち号」は、山口DC開催に合わせ、9月2日からSL全盛期の客車を復刻した新客車(35系客車)による運行を開始する。新客車は5両編成で、1号車をグリーン車とし、3号車にはSLの歴史やしくみを学べる展示スペースや「運転シミュレーター」「投炭ゲーム」、販売カウンターを設置し、5号車にはバリアフリー対応の多目的室・多機能トイレも備える。乗車する際、乗車券の他に座席指定券または普通グリーン券が必要となる。

「SLやまぐち号」の新客車(35系客車)は9月2日から運行開始

新客車の運行開始にともない、これまで使用されてきたレトロ客車(12系客車)は運行終了となる。8月27日の最終運行の後、9月2日に山口DCオープニングイベントの取組みとして、レトロ客車による「SL『ありがとうレトロ客車』号」が運行されることになった。津和野駅10時32分発・新山口駅13時10分着で、途中の篠目駅にて新客車の「SLやまぐち号」(9月2日の下りは新山口駅10時50分発・津和野駅13時7分着)との行き違い運転を行う。なお、当日の篠目駅構内は混雑が予想されるため、入場制限を行うとのこと。

「デゴイチ」D51形が復活運転へ - 新山口駅で9/2特別展示

同じく9月2日、山陽本線新山口駅発着の臨時快速列車「『山口DCオープニング』号」も運行。広島駅8時16分発・新山口駅10時37分着、新山口駅13時38分発・下関駅14時43分着の下り2本と、新山口駅17時56分発・広島駅20時24分着の上り1本が設定され、全車指定席での運行(乗車券の他に座席指定券が必要)となる。

新山口駅では9月2日10~18時に山口DCオープニングイベントが開催され、イベントの目玉として「SLやまぐち号」新客車の運行開始に加え、蒸気機関車D51形の特別展示も行われる。「デゴイチ」の愛称で親しまれたD51形は、11月に開催される「全国SLサミット in やまぐち」に合わせて復活予定とされ、11月23日の「SLフェア」(下関総合車両所新山口支所で開催)でD51形・C57形・C56形が勢ぞろい。11月24日のSLサミット記念式典の後、11月25・26日に新山口駅で「デゴイチ」復活運転記念イベントが開催されるという。D51形の復活運転と「全国SLサミット in やまぐち」の詳細は別途発表される。

山口DC開催に先立ち、8月5日から新下関~東萩間(下関駅経由)で観光列車「○○のはなし」も運行開始。往路は新下関駅9時59分発・下関駅10時21分発・東萩駅12時57分発、復路は東萩駅14時13分発・仙崎駅15時27分発(復路のみ仙崎駅に停車)・下関駅17時39分着・新下関駅17時50分着となる。美しい海岸美が続く山陰本線を走行し、海の幸やお酒をはじめ、さまざまな"はなし"の旅を楽しめる列車として、土休日を中心に運行される。