インテージリサーチはこのほど、「介護離職に関するアンケート」の結果を発表した。調査期間は2017年3月30~31日、有効回答は35~50歳の被雇用者2万人。

1割が仕事と介護の両立に直面

現在または今後、家族の介護を担う立場にあるか尋ねると、「現在、家族の介護を担っている」は5.8%、「近い将来(1~2年くらい)には担っている可能性がある」は5.3%と、約1割が仕事と介護の両立に直面していた。これに「将来的(3~5年くらい)には担っている可能性がある」を加えると約4人に1人に当たる24.4%に上り、更に10年後まで広げると約2人に1人が該当した。

現在、家族の介護を担っている人に介護や家族を支援してくれる人はいるかと聞くと、「同居の家族」が58.3%、「別居の家族」が30.0%となった。一方、「公的な介護サービス」は46.6%にとどまった。同調査では「半数以上の人は家族らの中で介護を抱え込んでおり、社会的な支援が十分に受けられていないとも言える」と分析している。また「支援は何もない」という人も11.7%おり、孤独な介護の現状が浮き彫りになった。

あなたには介護や家事を支援してくれる人はいますか?(回答はいくつでも)

現在、何の支援も受けていない人のうち、11.5%が「肉体的・精神的に疲れがたまり、このまま両立を続ける自信はない(仕事を辞めることを考えている)」と回答し、「『介護離職』寸前の状態」(同調査)であることが推測される。

介護離職を考える人のうち、8割以上は条件が整えば仕事を辞めずにいられると考えていることが判明。また「在宅勤務やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方ができれば続けられると思う」(20.0%)、「短時間勤務や職掌転換などで仕事の負荷が軽くなれば、続けられると思う」(16.6%)など、働き方が変化すれば辞めずに済むという意見もみられた。