NTTドコモは7月21日、スムーズに空き駐車場を確保したいドライバーと手軽に駐車場を開設し、集客したい駐車場事業者をつなぐ「docomoスマートパーキングシステム」の提供を開始した。価格は初期設置料(初回のみ)が5万円(税別)~、システム利用料が月額2000円~と駐車料金の20%となる。

サービス提供スキーム

同社は、駐車場事業者向けのB2B2Cソリューションとして、2016年6月から同システムの実証実験を行ってきた。同システムは、車の入出庫を感知するIoT機器「スマートパーキングセンサー」、センサとサーバをつなぐ「ゲートウェイ」、クラウド上の「駐車場管理サーバー」およびドライバーが駐車場利用時に使用する専用アプリ「Smart Parking Peasy(ピージー、以下、Peasy)」の4つで構成している。

駐車場への設置イメージ

スマートパーキングセンサーの主な機能は、車の入出庫をリアルタイムに感知、駐車場の駐車区画1台分につき、スマートパーキングセンサー1台を設置、バッテリー内蔵(電源工事不要)となる。ゲートウェイは、スマートパーキングセンサーからデータを受信し、駐車場管理サーバーに送信、駐車場1カ所につきゲートウェイ1台を設置、ソーラーパネル(電源工事不要)、AC電源の両方に対応している。

スマートパーキングセンサー

ゲートウェイ(ソーラーパネル運用時)

また、駐車場管理サーバは車室の予約・満空情報(入出庫時刻)を管理し駐車料金を精算、検知した機器故障、不正入庫の情報を保守スタッフにアラート通知する。加えて、Peasyを7月21日から提供し、ドライバーは目的地付近の空き駐車場を探すことができるほか、アプリからクレジットカード情報を登録することで、料金精算用の現金を事前に準備する必要もなく、手軽に駐車場を利用できるようになる。

これまでの駐車場は、集客に適した見通しの良い大通りの広い土地に優先的に開発されていたため、数が限られ、都心部での駐車場が不足していた。同システムは、IoT技術の活用による低コストと設備敷設の容易さを特徴としており、駐車場事業者は狭い土地や、大通りに面していない土地、これまで月極駐車場として運営されていた土地の時間貸し駐車場としての利活用が可能となり、都心部の駐車場の増加が見込めるという。

さらに、駐車場事業者をサポートするための駐車場運営に必要なコンタクトセンターや駐車場の保守サービスは、提携先であるプレステージ・インターナショナルから提供。これにより、駐車場事業者は、用地の開拓や駐車料金の設計などの事業運営に専念することを可能としている。

保守サービスは機器故障・バッテリー切れなどの機器メンテナンス、不正駐車の監視や駆けつけサービスなどの保守・運用サポートを提供し、コンタクトセンターはドライバーからの問い合わせ対応専用となり、24時間365日(年中無休)で受け付ける。

同システムは、駐車場事業者5社が東京23区を中心に提供する15カ所の駐車場に採用されており、同システムを利用できる駐車場を順次追加する予定。同社は、IoT技術を活用した同システムの継続的な改良・普及促進により、2020年3月までに5000カ所程度の駐車場への導入拡大を目指す方針だ。

ビジネスモデル