アース製薬はこのほど、「ダニの知識と対策に関する調査」の結果を明らかにした。同調査は6月19日~20日、全国の主婦600人を対象にインターネットで実施したもの。

ダニ駆除に「効果が薄いこと」を効果的と誤認していたこと

まず、ダニ対策として実際は効果が薄いにもかかわらず、効果的と誤認していたことを調査した。

その結果、「布団を天日干しすれば、生きたダニは死滅する」は53.0%、「布団たたきをすれば、ダニを落とせる」は17.7%が効果的と誤認していたことがわかった。「衣装ケースや押し入れに新聞紙を敷く」「加湿器で部屋の温度を高めに保つ」などの回答を合わせると、全体の76.2%が効果のない対策を「効果があること」と考えていたことがわかった。

普段ダニ対策として実践していたことを聞くと、「布団の天日干し」(60.4%)が多かった。しかし、この方法は生きたダニに対しては駆除効果が薄いとのこと。ダニ駆除に効果的な「ふとん乾燥機を使用する」を行っていたのは27%、「除湿機を使って部屋の湿度を抑える」を行っていたのは26%にとどまった。

普段ダニ対策として実践していたこと

乳幼児の子を持つ母親を対象に、ダニの生態に関する知識を尋ねたところ、知らなかったことの上位は「ダニは気温25℃以上、湿度60%以上で繁殖する」(62%)、「布団の天日干しでは生きたダニは殺せない」(49.0%)、「カーペットにもぐりこんだ生きたダニは掃除機では吸い取りきれない」(45%)だった。主婦全体やきれい好きの人と比べ、認知率が低かった。

乳幼児の子を持つ母親が知らないダニの生態に関する知識

ダニ対策の専門家である白井秀治先生によると、布団の天日干しは布団を乾燥させダニを増えにくくする効果が長期的には期待できるが、ダニの死滅効果は高くないという。布団たたきによるダニの除去効果も高くないとのこと。

ダニの繁殖時期について尋ねると、「ダニが最も繁殖するのは梅雨(6~7月)」という事実を知っていたのは主婦全体の71.8%だった。梅雨時期にダニ対策をしている主婦は56%、カビ対策をする主婦は69%だが、乳幼児の子を持つ主婦では、梅雨時期にダニ対策をしているのは49%、カビ対策をするのは58%と、主婦全体と比べて低かった。

ダニの繁殖時期についての知識

生きたダニの駆除方法やどこに潜んでいるかなどの生態について、ダニの正しい知識を知っているか尋ねたところ、81.0%が「知らなかった」と回答した。

正しくダニ知識を知っていましたか?

白井先生によると、ダニは気温25℃以上、湿度60%以上で繁殖するが、高温と乾燥には弱い生き物だという。そのため、乾燥機を用いた熱処理は、ダニの死滅効果が期待できるとのこと。布団乾燥機で駆除した後に、こまめに掃除機をかけることで、死がいを取り去るというプロセスが有効だという。

「正しくダニ知識を知っていた割合も2割と低いため、ダニの減少につながる対策が実施できていない世帯が多い可能性が考えられる」と白井先生。乳幼児期におけるダニのフンや死がいなどへの接触と、その後のアレルギー発症について関係を調査した研究もあり、効果的なダニ対策に取り組む世帯が増えることが望まれるとコメントした。