NECパーソナルコンピュータ(NECPC)とキュレーションズは7月19日、IoTオープンイノベーションプラットフォーム「plusbenlly(プラスベンリー)」を共同企画し、ベータ(試作)版の一般公開を開始したと発表した。

plusbenllyは、クラウド上に、IoTデバイスからのデータを集約するビッグデータプラットフォームで、コネクテッドパートナー(Connected Partners)であるIoTデバイスメーカー、サービス企業などから提供されたIoTデータを、有料でデータを利用したいビジネスパートナー(Business Partners)に提供する。データは、すべて個人を特定できない形で提供されるという。

「plusbenlly(プラスベンリー)」のイメージ

サービス利用は、管理画面よりplusbenllyがサポートしているIoT機器やネットサービスを選択・接続するだけで連携でき、plusbenlly SDK(iOS/Android)が用意されており、これを利用して組み合わせた機能を自社のスマートフォンアプリに取り込むことができる。また、サーバ間での機器同士の連携をとるためのplusbenlly APIの提供も予定している。

「plusbenlly」の管理画面

なお、両者はプラットフォームを提供し、データ取得に関する許諾については、コネクテッドパートナーが行うという。

このサービスを利用することで、コネクテッドパートナーは、ビジネスパートナー経由で提供されるIoTデバイスにより、売上増が期待でき、ビジネスパートナーは、自社でプラットフォームを構築することなく、API経由で簡単にデータを取得できるというメリットがある。そして、ビジネスパートナーは、異なるメーカー間のIoT機器を組み合わせて新たなサービスとして提供したり、機器から収集されるデータやインターネットサービスの情報を組み合わせて自社サービスの利用者に有益な情報として提供できる。

「plusbenlly」の価値

plusbenllyは既に大和リビングマネジメントや積水ハウスなどのプロジェクトで採用が決定しており、利用の準備が進んでいるという。

現在のところ、ビジネスパートナー参画企業は9社、コネクテッドパートナーは12社存在。また、plusbenllyには、プラットフォームで利用する技術を提供するテクノロジー パートナー(Technology Partners)がおり、こちらの参画企業は現在25社となっている。

なお、plusbenllyは現在ベータ版で、2017年中に正式版提供を予定している。

NECパーソナルコンピュータ代表取締役 執行役員社長 留目真伸氏は、plusbenllyを提供する理由を、「IoTではすべてのデバイスがインターネットにつながり、これによって、新しいサービスやビジネスが生まれたり、いままで解決できなかったものが解決できるようになるが、現状、そうなっていないのがIoTの課題だ。障害になっているのは、データを自在に扱える業界どうしの結合ができていない点だ。plusbenllyというオープンイノベーションプラットフォームにより、新結合が生まれる」と語った。